ガスレビューコラム

自動車の電動化が進むとハイボールが飲めなくなるかもしれない

電動化が進めば
炭酸飲料が飲めなくなるかもしれない。

脱炭素化への要請から自動車の電動化、ガソリン車からハイブリッドカーやEVへのシフトを進めようとしているが、自動車の電動化が進めば、ハイボールをはじめとした炭酸飲料が飲めなくなるかもしれない。
電動化と炭酸飲料の間にどんな関係があるの?と、訝しがる向きも多いと思うが、カギを握るのが炭酸ガスである。
自動車の電動化が進むと、炭酸ガスが手に入りにくくなり、結果、ハイボールが飲めなくなるのではという話である。

では、何故、ハイブリッドやEVが増えると炭酸ガスが手に入りにくくなるのだろうか

自動車が電動化すると燃料であるガソリンの需要が下がる。
ガソリンの需要が下がると、ガソリンの生産量が減り、ガソリンを作る際に使っていた水素の使用量が減る。
水素の使用量が減ると水素を作る際に副生されていた炭酸ガスの原料も減り、結果、液化炭酸ガス・ドライアイスの生産量が減少してしまう。

ここ20年余り、国内のガソリン需要の低下に伴い製油所の統廃合が進み、液化炭酸ガス・ドライアイスの生産に支障をきたすケースが頻発している。
温室効果ガスの一つであり、世界的にも削減が求められている炭酸ガスだが、我々の生活に不可欠な用途もあり、そうした部分では、調達に四苦八苦するようになってきている。

問題となるのは製造コスト。

温室効果ガスの一つであり、世界的にも削減が求められている炭酸ガスだが、我々の生活に不可欠な用途もあり、そうした部分では、調達に四苦八苦するようになってきている。

もっとも、炭酸ガスは化石燃料の燃焼に伴って発生するものであり、製油所以外からも回収して液化炭酸ガス・ドライアイスを製造することは可能。
実際、炭酸ガスは地面や海底に埋め戻さなくてはならない程、地球上のあちこちで日々発生している。
純度が低い炭酸ガスを精製、液化する場合は、それだけ精製コストが増し、製造原価が上昇する。
結果、液化炭酸ガスの価格が上昇する。

純度が低い炭酸ガスを精製、液化する場合は、それだけ精製コストが増し、製造原価が上昇する。
結果、液化炭酸ガスの価格が上昇する。
製油所は工業用液化炭酸ガス・ドライアイスを作って供給する事業が成り立つ純度と発生量を持ったソース元であり、火力発電やその他の化石燃料の燃焼に伴う炭酸ガスを回収、利用すると、現行よりもかなり割高な液化炭酸ガス・ドライアイスとなってしまい、ハイボール1杯に使用する炭酸ガスの値段も上がってしまうかもしれないのである。

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