ガスレビューコラム

2025大阪・関西万博に出展・提案されている産業ガス関連技術

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに本年4月13日から10月13日までの6ヶ月間、大阪市臨海部の夢洲で開催されている「2025大阪・関西万博」には、産業ガス関連技術も提案されている。

カーボンファクトリーでのCO2回収・再利用

ここでは、万博に出展・提案されている産業ガス関連技術について紹介しよう。
先ずは、カーボンファクトリーでの排ガスからのCO2回収である。
RITE(公益財団法人地球環境産業技術研究機構)及び大阪ガスが、大気中の炭酸ガスを直接回収するDAC(Direct Air Capture)や食品残渣からCO2を回収し、再エネ由来のグリーン水素(水電解)と合成してメタネーション(メタン再生)を行っている。
再生したメタンは、万博内のエネルギーとして利用する。

メタネーション以外にも回収したCO2の一部は、エア・ウォーターが手掛けるCO2回収装置(ReCO2 STATION)で、液化炭酸ガス、ドライアイスに再生される。
こちらも再生したドライアイスを会場内の冷却用として利用する予定となっている。

新開発の触媒を使ったエア・ウォーターのCO2精製装置

エア・ウォーターReCO2STATIONはドライアイスを製造できる

パイプやタンクが並ぶカーボンファクトリーは、煌びやかなパビリオン群とは、趣を異にしており、設置場所も少し離れた場所となっているが、来場者には専用バスによる見学ツアーが用意されている。

水素エネルギーの活用もそこかしこに

会場内でのエネルギー供給に炭素強度の低いものを活用していくというのが、今回の万博のコンセプト。
水素も低炭素なエネルギー供給手段の一つとして、実証的に取り組まれている。
関西電力は、NEDOの助成を受け、姫路第2発電所で水素混焼発電を実施、ここで発電した電力は万博にも供給される。
会場内のNTTパビリオンで製造したグリーン水素は地下埋設配管を通じてパナソニックグループのパビリオンに送給され、燃料電池による発電が行われている。

会場へのアクセスは、地下鉄、シャトルバス、タクシーが主なものであるが、海上から船でのアクセスも可能である。
船でのアクセスでは、岩谷産業が手掛けた水素・燃料電池船「まほろば」が、大阪・中之島ゲート、ユニバーサルポートから夢洲までを結んでいる。

岩谷産業の水素燃料電池船「まほろば」

「まほろば」は、燃料電池とバッテリーによる電気駆動の船であり、エンジン駆動の振動や燃料のニオイがない快適な乗り心地が特長。
水素による乗り物で、未来を感じながら会場に向かうというのも、万博の楽しみ方の一つかもしれない。

産業ガスで変わる食の未来

凍結粉砕でパウダ上にしたお米に他納食品を組み合わせた再精米

産業ガスを利用した未来技術の出展では、食をテーマにしたシグニチャーパビリオン、「EARTH MART」で、液体窒素による凍結粉砕技術を活用した未来の食の姿に触れることが出来る。
これはウニの殻など普段は食べられず捨ててしまう部分までパウダー化することで食材として活用しようというアイデアである。
パウダーからの造形では、3Dプリンターを使う試みも提案されていた。
食品ロスの低減、食材の有効活用にガス技術が貢献できる興味深い展示である。

他にも、大阪ヘルスケアパビリオンでは、シンクモフがMOFによるDAC技術を提案している。
MOFは気体を取り込み、貯蔵できる性質を持った物質。
ガス貯蔵だけでなく、精製や計測・センサなど多様な応用が可能で、未来社会での実装に期待が掛かる技術の一つである。

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