【検証・不況に芽吹くガス利用技術】電炉用酸素バーナーにニューフェイス登場
バイオ、脱酸素、印刷前工程の環境改善型3種

年初からの急激なユーザの減産を受け、ガス生産・販売量の冷え込みが続いているが、酸素燃焼をはじめとするガスアプリケーションは着実に芽吹きつつある。
不況期こそユーザに新技術、新製法を提案できる機会とされるが、エア・ウォーター、ジャパン・エア・ガシズらが実績をつける電炉向け酸素燃焼バーナーシステムや大陽日酸の開発したバイオガス精製装置、エア・ウォーターの水中の溶存酸素を除去する脱酸素装置、ジャパン・エア・ガシズのパッケージ印刷前工程装置などが注目されている。

【経営】ガスに目覚めた昭和電工の事業再編

TG昭和100億円分移管、昭和炭酸産業ガス事業部を新設

昭和電工グループの産業ガス事業再編は昭和炭酸（藤井豊春社長）を核に4月1日からの第3ステージに向けた準備が急ピッチで進んでいる。昭和電工の株式公開買い付けによる昭和炭酸の子会社化を第1ステージとして、東京ガスケミカルと昭和電工の折半出資していた工業ガス販売会社TG昭和の合弁関係解消に続く、第3ステージではTG昭和が展開していたガス事業を4月から昭和炭酸に移管する。

【医療ガス市場】大陽日酸
泉谷サンソとサーンテックの医療ガス事業を統合
新会社「ティ・アイメディカル」設立

大陽日酸（松枝寛祐社長）は、100％子会社の泉谷サンソ（堺市西区）と同サーンテック（大阪市西区）の医療ガス部門及び3社出資の医療ガス充填会社ティ・アイメディカルを統合し、4月1日付けで新会社「ティ・アイメディカル」を設立する。

【技術レビュー】コンビナートで進む水素をめぐる改善策

【ケース1】
旭硝子鹿島工場、余剰水素の有効利用で工場燃料8％削減
【ケース2】
出光興産千葉精油所、水素発生・回収システム見直しで省エネ実現
【ケース3】
東亞合成、カネカ、「水素消滅」、「酸素出現」の諸刃の剣
～次世代ソーダ製法「ガス拡散電極」一閃～

ソーダ電解、石油精製で水素発生・消費に関する省エネ改善への試みが相次ぎ行われている。一方、ソーダメーカーでは水素副生を伴わない「ガス拡散電極」の技術開発が進む。

【市場分析】成長神話は崩れた
11月から製販ともに減少に転じた窒素

不況に強いはずだった窒素も絶不調である。昨年11月に生産・販売は4.2％、6.9％とともに減少に転じた。12月も10.5％、8.8％とマイナスとなり、この内、液体窒素の販売量は11月が13.5％、12月も16.5％と2桁減となった。