【地域市場再発見・北陸】300年の伝統、“富山のくすり売り”復活

医薬品メーカー総額500億円投資、窒素需要を牽引

300年以上の歴史と伝統を持つ「くすりの富山」では、同地の近代経済の形成や工業化の基礎は薬業が築いたとされる。
重厚長大産業やエレクトロニクスの減産で、昨年12月から北陸3県の工業ガス需要も30％以上の減少局面を迎えている。
そうしたなか、製薬や医薬中間体を製造する化学メーカーは今後2～3年間で総額500億円の大型投資を計画しており、「連綿と受け継がれてきた薬業が産業構造の再構築の基礎を成す」とあるディーラー首脳陣のひとりは指摘する。

【酸素PSA】新陳代謝する3メーカー体制

実質撤退の三菱重工、代わって台頭するエア・ウォーター

三菱重工の事実上の事業撤退を受けて、酸素PSA市場は住友精化、昭和環境システム、エア・ウォーターの3メーカー体制へと再編成された。エア・ウォーターは従来のPSA調達ルートに加えて、自らもPSAのメーカーポジションとなった。これはガス売りの液バックアップ、メンテナンス、リプレース情報の先取りで有利な立場になったことを意味し、電炉やガラスなど液供給が不可欠となる需要分野では今後、同社が緩やかにPSA、液の両市場を掌握していきそうな気配である。

【海外メジャートップインタビュー】「09年工業ガス外販世界市場10％減見通す」
エアプロダクツ副社長　ロバート・ディクソン氏

金融危機に端を発した世界大不況のなか、工業ガスメジャーは09年工業ガス市場をどう見据えているのか。エアプロダクツのガス外販事業トップのロバート・ディクソン氏に聞いた。

【国内市場】協栄興業、豊通エネルギーと業務提携

中部地区の大手ディーラー協栄興業（内田久利社長）と豊通エネルギー（北村徳治社長、本社・豊田市、資本金3億1千万円）は、LPガス・工業ガス両事業において、調達、充填、物流、供給分野で両社の経営資源の有効活用を図り、事業の拡大強化を目指すことで合意し、3月31日業務提携を結んだ。