【市場分析】〝超円安〟が照らす工業ガス・溶材市場の「明」と「暗」

原油安、人材不足も大きな要因

　ドル円為替は118～119円の円安で年を明けた。内需型のガス溶材市場ではあるが、ユーザーの変化は直接影響を受ける。また、溶材は中国など海外に生産拠点を設置しており、売上比率は海外が上回っている。為替の変化を直接受けるわけだ。
　反面、国産製品の輸出競争力は強まる。特殊材料ガス及びガス関連機器は種類、メーカー数とも世界最強のサプライヤーであり、しかも海外の売上比率が8割を超えるだけに円安は追い風である。
　他方、ヘリウム、レアガスなど輸入に依存するガスは価格上昇に苦しんでいる。
　この“超円安”が工業ガス溶材市場に現時点で与えた明暗を検証してみた。

【エレクトロニクスガス市場】NF3供給タイト化東アジア全体に広がる

台湾液晶メーカー生産調整に追い込まれる

三弗化窒素（NF3）の供給タイト化が、日本をはじめ韓国、台湾など東アジア全体に及んでいる。最も深刻なのは台湾の液晶向けでNF3不足で一部で生産調整に追い込まれている。日本でも調達にガスサプライヤーが苦慮、海外玉へアプローチするところもあるが、韓国でも供給タイト化傾向は同じのため輸入は難しい状況に陥っている。

【医療ガス関連市場】エア・ウォーター、医療用酸素濃縮装置「小夏3」SP開発

　エア・ウォーター（青木弘会長）の在宅医療事業会社であるエア・ウォーター・メディカル（東治幸社長）と医器研（石田伸紀社長）は、室内での移動を簡単にでき、また自動車に積載できるなど患者の快適性を徹底的に追求し、小型、軽量、省エネ、安心・安全を実現した医療用酸素濃縮装置「小夏3」SPを開発、1月25日から販売を開始した。

【水素エネルギー】「水素エネルギー社会実現にトヨタはスタートを切った」
加藤光久トヨタ自動車代表取締役副社長

　トヨタ自動車の加藤光久代表取締役副社長は、1月9日に行われた近畿地区のマルヰ会・イワタニ会の場で「サスティナブルモビリティに向けたトヨタの取り組みと燃料電池自動車開発」をテーマとして記念講演を行った。