【市場分析】国内大型設備投資150件／1兆56百億円

2014年10月～2015年4月、10億円以上大型投資

　2015年以降に行われる国内設備投資状況（2014年10月～2015年4月）は現段階で、10億円以上規模で約150件（公共投資除く）、合計約1兆56百億円とわかった。着工中やこれからのものもあり、正確な数字ではないが、通年規模だと約3兆円という数値が浮かび上がる。分野はLCD、電子部品、造船、自動車、医療・医薬関連と多岐にわたるが、中でも半導体・液晶ではマイクロンジャパン（旧エルピーダメモリ）東広島1000億円、ソニー長崎・熊本950億円、ジャパンディスプレイ白山1700億円など1000億円級の案件が出てきている。

【経営】産業ガス業界の息吹聞こえる5月人事

トップ2社以外にも新人事続々

　5月14日、エア・ウォーターの最高トップ人事、青木弘氏の代取名誉会長就任と豊田昌洋氏の代取会長CEO・最高経営責任者への昇格が発表された。翌15日には、大陽日酸からも合併の功労者である相談役の田口博氏が取締役を辞任、名誉相談役の於㔟好之輔氏が相談役となるなどの人事が発表され、注目を集めた。
　企業の人事、とりわけ役員人事ともなれば、その企業の指導部の〝現状と未来〟が表現されているのであるから最も注目を集めるニュースの一つであるが、当たり前のことだが年齢や順送り、評価にどんな法則や律法があるわけではない。それぞれの企業における経営環境や人材を基盤としつつ、文化や風土でさえ加味した独特のバランスや人材配置の感覚があるわけで、時には繰り出され、編み出される人事や組織から、その企業が生きる呼吸や気配を感じることもある。

【分析機器】ミッシェル×島津サイエンス＆アクセス、水晶発振式プロセス水分計で提携

　ミッシェルジャパンは、2009年に発売した水晶発振式のプロセス水分計QMA2030の後継機種となる「QMA401」や防爆タイプ「QMA601」を6月から発売する（本誌No.813既報）が、同機種に関しては、島津製作所の販売子会社である島津サイエンス＆アクセスとパートナーシップを結び、島津製作所系列のルートでも販売することとなった。
　同水分計は、水晶発振子に水分に感応する素材を採用し、付着した水分量に対応する発振周波数の変化をとらえる「水晶発振式」という測定原理を採用し、高い応答性が特長である。同方式は連続分析用として、プラントでも数多く採用されてきたが、日本で販売される水晶発振式の水分計は限られ、現在は英・ミッシェル製と米・アメテック製のみである。

【水素エネルギー】ヤマト産業、簡易型水素ステーションパッケージ開発、本社で実機展示

FCフォークリフト向けにPR強化

　圧力調整器メーカーのヤマト産業は本誌No.813で既報のとおり、移動式の高圧水素ガス蓄圧器ユニットを開発したが、同ユニットを使ったFCVやFCフォークリフトへの燃料供給用の簡易型水素ステーションパッケージの実機展示を同社本社内で始めた。
　水素はカードルで運んでくるか、蓄圧器ユニットをオンサイト型ステーションへ車で牽引し、蓄圧器に水素を補給し供給場所へ戻り、オンサイト型水素ステーションの稼働率を上げる「マザー・ドーター方式」のドーターステーションとしての運用も想定している。

【医療ガス関連市場】ナンブ、無動力歩行支援機〝ACSIVE〟全国展開

　ナンブは、電気やモーターを使わず、バネと振り子の動きの作用で歩行支援を行う〝ACSIVE（アクシブ）〟の全国販売体制を強化している。
　ACSIVEは名古屋工業大学の佐野明人教授が十年以上研究してきたヒトの『受動歩行』理論に基づいて、電動いす、義手・義足専門メーカーの今仙技術研究所と共同開発した無動力歩行支援機。麻痺した脚に装着すると正常な一方の脚が前に進むのに応じて振り子状に作用して麻痺した脚を前に出すもの。麻痺があっても一定自立歩行（杖利用も含む）が可能な人を対象とする。