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No.821号
2015.08.01発行
ガスレビュー No.821号(2015年08月01日)

【ガスと環境】強化される海の上の排ガス規制
日本郵船、LNG燃料船で3つのプロジェクト
海上における硫黄酸化物(SOX)、窒素酸化物(NOX)の排出規制が世界的に強化される方向にあり、海運業者は今後5~10年のうちに船舶の燃料転換やエンジン改造、排ガス処理設備の設置などの対応を迫られる見込みだ。
中でも舶用燃料のLNG化、いわゆる「LNG燃料船」への転換は有望とされる対策の一つだ。船舶においてLNGに対応するエンジンが普及すれば、LNGの断熱貯蔵や内燃機関へのガス供給、LNGローリーなどで、工業ガスの極低温技術も活躍の場が拡がる可能性がある。そこで本誌は今夏、国内初のLNG燃料船が竣工する日本郵船にこの船の実力と普及の可能性について聞いた。
【MIP・VIP】「新進出国、100億円企業のM&A具体化」
大陽日酸 市原裕史郎社長
三菱ケミカルグループ企業との提携強化
初めて議長を務めた株主総会を無事終えた大陽日酸の市原裕史郎社長はなかなか息つく暇がない。
「6月1日より、金融庁や東京証券取引所のガバナンスコードに沿って、会社の業務の執行と管理・監督を明確に分け、取締役の数を減らし複数の社外取締役も導入した。社内に異論がなかったわけではないが、要するに透明性を高め、きちっと業務を管理、指導する取締役会とすることができた。執行役員は執行役員で業務に集中できるのではないか」
4~6月の第1四半期決算はまだ確定していないが、若干の増収増益ペースで推移したとみられる。しかし、その内容は地域により差が出てきているようだ。
【液化炭酸ガス・ドライアイス特集】需要復調の中でソース縮小リスク継続
東西プラントトラブルで需給タイト化懸念
ここ数年、ソース元であるアンモニア、石油精製の生産停止や粗ガス供給量低下に苛まれてきた国内液化炭酸ガス・ドライアイス業界だが、2015年もそのリスクは継続している。本年6月末には、日本海側の有力ソース、三菱ガス化学新潟が停止、上越、北陸の日本海側及び東北地域へは、首都圏からの長距離輸送に頼らざるを得なくなっている。全国的に液炭・ドライの供給余力は下がり、プラントトラブルや定修長期化が発生すれば、深刻な需給タイトに陥る危険性を孕んでいる。
液化炭酸ガス・ドライアイスは、身近で、ありふれた工業ガスであるものの、生産地が限られる宿命にある。サプライヤー各社は、長距離輸送に伴う液ローリーの増車、中継タンクの増設、新プラント建設といった追加投資を強いられ、ソース元から離れた地域に同一価格帯で供給していくことはもはや困難となっている。将来に亘って安定的に事業を継続していくためにも、採算性を検討していく時期に差し掛かっているともいえる。
【経営】70周年を迎えたヤマト産業
「特殊圧力調整器を基軸に、水素エネルギー分野強化」
代表取締役社長 小野寺雅宏氏に訊く
工業用圧力調整器の老舗メーカーであるヤマト産業は、1945年11月、奈良県桜井市で、前身の「ヤマト工業所」として溶断機の製造を始めて以来、今年で創業70周年の節目を迎える。
2010年4月から同社代表取締役社長に就任した小野寺雅宏社長は、一貫して『お客様第一主義』『重点主義』『環境整備の徹底』の3つのテーマをもとに製品の開発・改良を進めてきた。小野寺社長就任後、5期連続で増収増益を達成し、15年6月期売上高は社長就任時の10年度比約50%増で推移している。小野寺社長は「特殊圧力調整器に特化したことと、水素エネルギー分野へ参入した結果である」と増収要因を分析する。
【市場動向】7%シェアにとどまるガス関連宅配水ビジネスの限界と可能性
エア・ウォーターは郵便局グループと提携、サイサンは新水源
日本宅配水&サーバー協会の統計によれば、2015年の国内サーバー設置台数は前年比5.3%増の約355万台、水の製造量は前年比4.8%増の年間約116万tと推定される。しかし全国の一般家庭への普及率は10%に満たないとされ、全体のうち工業ガス企業が占める割合も約7%にとどまるとみられる。今後のシェア拡大に向けた各社の動向を聞いた。
ガスレビュー目次
流通回路
23
・埼玉県警、違法ヤード問題で315本のボンベ回収
・エア・ウォーター、九州屋株式55%取得
・フローム、耐圧検査時の真空引き継手を新発売
・神戸サンソグループ、8月期決算22億円見込み
・関東エルエンジニアリング、独自開発の容器管理システム展開
・阪口製作所、溶接器具用ゴム・樹脂の劣化啓蒙活動促進
HOT ASIA PRESS
25
・タイヨーガシズ、渡商会製LPG用空温式蒸発器販売
・エア・リキード、サウジで世界最大級の水素プラント稼働
・プラックスエア、インド西部でオンサイト事業拡大
・エアプロダクツ、韓国ギガファブ向けオンサイトガス設備新設へ
焦点
26
・「低温機器をクライオポンプと並ぶ事業の二本柱に」
アルバック・クライオ 石黒雅彦社長
・「差別化した製品でエレクトロニクス市場へ展開する」
キッツエスシーティー 細川寿夫社長
DATA
29
・2015年度ウェーハプロセス処理装置9.8%の成長予測
最新工業ガス関連株式市況
29
ガスレビュー指標
30
・関連機器編
国内市場
31
・エア・ウォーターNV、自動車部品好調で売上高29億円弱
・大陽日酸、水素溶断ガス販売量倍増
・横浜ゴム、国内初の高圧水素ガス用ゴムホースを今夏上市
時事コラム
32
・三菱化工機、海外技術導入により水素ST充填パッケージ開発着手
・理研計器、新製品3機種発売
・JIMGA、平成27年度表彰受賞者発表
・高圧ガス保安協会、市川祐三新会長会見
・SEMIジャパン、loT時代到来がもたらす「200㎜」ファブのリバイブル
・岩谷産業、小型カセットこんろ新製品発売
・大陽日酸、「MF‐東京2015」出展
海外市場
36
・大陽日酸、米国カリフォルニア州にASU増設
組織人事
36
・三春商会
・フジオックス
訃報
36
・堀場製作所の堀場雅夫最高顧問逝去

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