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No.824号

2015.09.15発行

ガスレビュー No.824号(2015年09月15日)

【地域市場再発見・東海】ポスト自動車を模索する東海工業ガス業界

自動車中心から航空機テイクオフでどう変わるか

 東海地域はガス溶材市場にとって大きな転換期を迎えている。自動車が中核であることに変わりはない。最大ユーザーであるトヨタは8月、9月以降の国内増産と同時に調達部品・材料の値下げ協力をほぼ同時に発表した。過去最高益2億円を計上しても手綱を緩める気持ちは微塵もない。同社は国内製造拠点を東北―アクアなどの小型車、九州―プリウスなど汎用車のメインがそれぞれシフト、中国など海外強化も続けている。東海地域の相対的な地位は低下している面は否めない。
 一方でMRJの初飛行を目前にして受注は伸びを示し17年春の量産に向けてテイクオフしようとしている。更にリニア新幹線開発が動き出しており、20年以降は東海圏が日本経済を牽引すると見られている。
 では足元のガス溶材市場はどう動いているのか。ガスディーラーは全体的に「ガスは横這いから微減、機械、システムは補助金効果もあって増加基調」というのが14年から15年夏場までの一般的な見方である。

【エネルギー】「カライド酸素燃焼プロジェクト」成功裡に終了

約3年間で酸素20~30万t(概算)を使用

 2012年12月中旬、オーストラリア・クィーンズランド州の中央部、バナナ郡のビロエラという町の郊外にあるカライドA石炭火力発電所で、世界初の火力発電所実機での酸素燃焼プロセスによるCO2液化回収の実証運転が開始された(本誌No.763、2013年3月1日号で詳報)。今年3月初め、酸素燃焼運転の目標時間の1万時間を達成するとともに、それまで併せて5500時間超のCO2液化回収装置の実証運転も行われた。発電所で回収されたCO2は、ビクトリア州まで運搬され、地下への圧入試験を実施し、2年以上に亘る、その実証運転は成功裡に終了したという。そこでどれくらいの酸素が使われたのか、CO2は回収後、何に使われたのか、そして、この実証の成果を今後どのように生かすのか。実証プロジェクトの中核技術である「酸素燃焼プロセス」を発案し、開発に参加したIHIに訊いた。

【焦点】化学プラントだけでなく、低温機器でもアジア進出を目指す
日本化学機械製造 高橋正一社長

 8月初旬、低温機器の事業方針について本誌取材に応じた日本化学機械製造の高橋正一社長は、晴れやかな表情でまず本業であるプラント事業の近況について語り始めた。
 「12年に設立したタイ及びベトナムの現地法人がプラント工事をメインに飛躍的に事業を伸ばしそうだ。それぞれの現法からの報告によると、今後3年は倍増ペースで受注高が増加する。17年度は両社の売上高が本社のプラント事業売上高に比肩する40億円以上を見込んでいる」
 この理由について同社長は競合が少ない点、現地で請け負う仕事の種類が豊富な点を挙げる。タイ、ベトナムではものづくりの高度化が進行しており、小規模なエンジニアリングニーズが増えている。これが海外法人の売上を引き上げる要因となっている。
 こうした中、現在最も注力し奔走しているのがベトナムにおける現地工場の設立だ。ベトナムを技術拠点化し、今後のアジア事業を円滑に構築していくのが狙いである。

【国内市場】モリタホールディングス、窒素利用の医療機関向け消火設備で70%増

 大手防災メーカーのモリタホールディングスでは、100%子会社のモリタ宮田工業製の消火薬剤を窒素で加圧し、噴霧して消火する病院・介護施設向け自動消火設備「スプリネックス」の販売が好調である。14年度は前年比7割増の431件、金額ベースで52億円を売り上げた。

【国内市場】岩谷産業、東海地区の圧縮水素価格を改定

S㎥あたり10円値上げ

 岩谷産業(野村雅男社長)は東海地区における圧縮水素の価格を10月1日より値上げする。対象はトレーラー、カードル、シリンダー。値上げ幅は現行価格に対してSm3当たり10円である。
 今回の値上げの背景には、同社の圧縮水素製造元である岩谷瓦斯名古屋、東曹ダイスイの両工場において、原料事情が悪化していることがある。いずれも電解副生水素を原料としているが、近年の塩素需要の低迷や電力価格の上昇などで、大本の電解プラントは稼働が安定せず、副生水素の発生量も著しく落ちている。

【海外市場】BLM、第2回ヘリウムオークション実施

平均価格432円/㎥

 米国土地管理局(BLM)は8月26日、今年10月1日から始まる新年度(2016年度)に向けて民間向けヘリウムのオークションを行った。2016年度に払い出し可能な量の25%に相当する3億ft³のヘリウムがオークションの対象となった。

ガスレビュー目次

時事コラム

8

・ミッシェルジャパン、高温・高湿度環境下での露点計測、標準器発売
・山陽電子工業、7ℓ酸素濃縮器新機種発売
・岩谷産業、LPガス仕様初の防災型非常用発電機発売

HOT ASIA PRESS

10

・エア・リキード、アジアで病院内消毒製品事業拡大
・マチソン、韓国Heディーラーと長期供給計画
・エアプロダクツ、韓国でガラス溶融向け酸素バーナー供給

流通回路

19

・岩谷産業、滋賀ガスセンター内にカセットボンベ充填工場新設
・東京IK会城北支部、こいけ市決起大会開催
・協栄興業、農薬不使用の機能性野菜生産販売事業来年開始
・ダイキン工業、盆踊り大会開催
・ゆるキャラグランプリ2015に岩谷産業「マッピー」参戦
・エア・ウォーター、社員研修所リニューアル
・鈴木商館、LP子会社の社名変更

海外決算

21

・海外メジャー2015年中間決算

DATA

23

・溶解アセチレン、15年上半期販売量

最新工業ガス関連株式市況

23

ガスレビュー指標

24

・ガス編

第1四半期決算

25

・ダイヘン
・関東電化工業
・新コスモス電機
・理研計器
・星医療酸器
・長野計器
・帝人

組織人事

28

・長野計器
・住友精化
・大丸エナウィン

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