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No.826号
2015.10.15発行
ガスレビュー No.826号(2015年10月15日)

【MIP・VIP】「中国事業の資本は日本、経営トップは米国人を起用」
大陽日酸 市原裕史郎社長
ステンレス魔法びんのサーモスが増収に貢献
第2四半期の決算の動向を聞こうと訪ねた市原裕史郎社長の第一声はやや意外なものだった。
「まだ9月の正式な数値が出ていないのではっきりしたことは申せませんが、4~8月の期間は売上高、利益とも目標をまあまあ達成できている。対前年同期比若干の上振れ。国内のガスや機器は7月以降の天候不順もあって大したことはないが、ステンレス魔法びんを中心とするサーモスが絶好調といって良い。連結売上高の増収分の4分の1はサーモスが寄与している」
一方、市原社長の直轄的指揮の下、自由無尽に生活を駆け巡る戦略的M&A部隊、国際・経営企画本部は7月末に1つの成果で応えた。大陽日酸初のオセアニア進出となる豪州の産業ガスディストリビューター、レネゲードガスの買収に成功した。6月のタイのAPI社に続くM&Aで、今後ニュージーランドも含めたオセアニアマーケットでの橋頭堡を得たことになる。
【地域市場再発見・九州その②】北・西部九州工業ガス市場、造船・建築の牽引で上昇気流
半導体も復調
前号で中・南部九州の産業ガス市場を「台風の目状態」と報じたが、同じく台風15号が猛威を振るう中向かった北・西九州では、大型設備投資が続く半導体や、円安転換により回復基調にある造船、地下鉄や駅ビル、新幹線といった公共投資を追い風に上昇傾向にある。実際、今夏のメーカー・ディーラーに対する取材の中でも多くの企業で増収、今年度も「4~6月あたりは落ち込んだものの8月あたりから回復、全体では横ばいか増収」と予想する声が多かった。
一方、自動車の減産や建築現場での人手不足といった不安要素も聞かれた。今号では半導体、造船、自動車といった主要ユーザー動向と合わせ、北・西部九州産業ガス市場を詳報する。
【医療ガス市場】医療ガス産業に立ちはだかる「2025年の医療提供体制」問題
いまそこにある医療用酸素の需要への影響
医療用酸素の需要量は年々減少傾向にある。病院数自体の減少に加え、酸素の消費量を低減するような医療ガス機器の高度化や、包括医療制度(DPC/PDPS)を導入する病院の増加によるガス消費量の減少がその要因とされている。ここにまた、将来的に医療用ガス市場を縮小させる可能性のある大きな懸念材料がある。「医療提供体制の2025年モデル」の推進である。
「2025年の医療提供体制」は2012年2月に閣議決定された社会保障・税一体改革において示された。2年ごとに実施されている診療報酬の改定と、5年ごとに行われる医療計画の見直しをリンクさせ、25年には地域に密着した病床で対応するための医療体制に移行しようという病床機能再編プロジェクトだ。
【国内市場】高温超電導石狩プロジェクトで500mの送電開始
石狩超電導・直流送電システム技術研究組合(神奈川県横浜市)は9月18日より、かねてから進めている「高温超電導技術を用いた高効率送電システムの実証」の中で、高温超電導線材を使用した送電の実証運転を開始した。実証期間は16年3月までで、実用化に向けた課題の抽出と検証を行う。
同プロジェクトは次世代送電技術として、経済産業省の公募事業として13年4月から進められ、住友電気工業、千代田化工建設、中部大学、さくらインターネットが参画している。14年1月には4団体共同で試験研究を行う同技術研究組合を設立した。
【水素エネルギー】トクヤマ、東ソー、苛性ソーダ工場で発生する副生水素を利用しサプライチェーン構築へ
山口県、周南市、下関市と共同
電解ソーダメーカーのトクヤマと東ソーは山口県、周南市および下関市と共同で「苛性ソーダ由来の未利用名高純度副生水素を活用した地産地消・地域間連携モデルの構築」に取り組む。同事業は環境省の委託事業「地域連携・低炭素水素技術実証事業」としてトクヤマが代表事業者で今年4月に採択された。
トクヤマは岩谷産業とともに工業用液化水素の製造、販売を目的とした合弁会社「山口リキッドハイドロジェン」をトクヤマの徳山製造所内に設立している。今回の実証では、トクヤマが全体統括となり、苛性ソーダ工場から発生した未利用副生水素の回収や水素の直接供給を行う。東ソーも、同社が所有する苛性ソーダ工場から発生する未利用副生水素の回収を担当する。今実証における水素回収量の割合は両社ともほぼ同量とされる。
ガスレビュー目次
HOT ASIA PRESS
8
・岩谷産業、ベトナムに現地法人設立
・メッサー、蘇州にN2O 600t/年プラント新設
・金瑞ガス、豪市場で中国企業として初の上場
流通回路
17
・ネクスト・ワン、10月より支店制度導入
・サイサン、ガスワンサミット2015開催
・山陰酸素グループ、ビッグジャンボリー2015開催
・三幸医療酸素、省エネ化・小型軽量化7ℓ動物用酸素濃縮器発売
・神戸製鋼所、水素ST向けパッケージ型水素供給システムに注力
・フジキン、筑波研究工場の事業所名改称
・昭和電工ガスプロダクツ、CSR部新設
・ハマイ、本社・大阪営業所移転
・関西医療、安井常務取締役が新社長就任
・福西産業、前社長を偲ぶ会
経営
19
・岩谷産業、ユーロ円建転換社債300億円発行
・公取委、日本エア・リキードの価格カルテル不服申し立てを棄却
DATA
21
・15年度第2四半期世界半導体製造装置出荷額
最新工業ガス関連株式市況
21
ガスレビュー指標
22
・ガス編
海外市場
25
・DAS、今年度20%増収見込み、過去最高の業績に
・エアプロダクツ、バイオガス膜分離装置でPED認証獲得
・プラックスエア、民間ソースとHe購買契約
・エア・リキード他フランス企業が難民支援
時事コラム
26
・阪口製作所、YouTubeで販売促進
・パナソニック溶接システム、ロボットマニピュレーター2000mmタイプをラインナップ
決算
27
・ハマイ第2四半期決算
組織人事
28
・大陽日酸
・鈴木商館
・山陽電子工業
・日本液炭

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