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No.831号
2016.01.01発行
ガスレビュー No.831号(2016年01月01日)

【ニューアプリケーション】ライフエンディング産業で使用されるガスアプリ
炭酸ガス、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム、ヘリウム
日本は、03年に死亡者数が100万人を突破してから死亡者数は年々増加、東京オリンピックの2020年には143万人に達するとみられ、シニアの終活、葬儀や埋葬、終末期医療など、関連する業界が拡大中、活気を帯びてきており、その熱気は工業ガス業界へも波及しそうだ。
経済産業省は、終末期から葬儀・供養までをライフエンディングステージとし、エンディング産業の支援を強化している。「死」をタブー視してきた日本の死生観も一転、右肩上がりの狙い目産業として育てようとしている。12月8日からは東京で経済産業省後援のエンディングフェアが開催された。
展示会場入口で異彩を放っていたのがバルーン宇宙葬である。「バルーン宇宙葬」とは栃木県のバルーン工房(宇都宮市、小野寺善博社長)が商標登録している地上35kmでの散骨という新しい葬送スタイルで、遺骨を地上35kmまで運ぶ風船にはヘリウムを充填する。
【市場動向】MRJ初フライト成功!
1機で部品点数百万点と自動車1台の2桁以上の利用
2015年11月11日、国産次世代リージョナルジェット機MRJは初飛行に成功した。YS-11以来、50年ぶりに国産民間飛行機が空を飛んだという大きな出来事である。
ガス業界には「航空機は自動車に比べガス利用が少ない」という冷めた見方が強い。確かに台数ベースで自動車は国内生産900万台で、一方MRJは量産を17年に予定、受注は約400機としているが、現段階で比べるべくもない。市場規模は自動車45兆円に比べ、航空機製造市場は1兆5千億円に過ぎない。
しかし、「使う部品点数は、自動車が1台数万点に対しMRJは1機百万点」(三菱重工業)とする。ジャンボジェットクラスの大型飛行機では数百万点にのぼる。つまり自動車に比べ遥かに部品点数が多いのである。言い換えればMRJ1機は自動車100台に相当する。市場性は高い。
【焦点】「工業ガスグローバルトップリーグ、1兆円超のティア1入りを目指す」
大陽日酸 小林邦裕 執行役員国際・経営企画本部長
M&Aが基軸
エア・リキードによるエアガス買収合意のニュースが駆け抜け、世界の工業ガス市場が再編に向かって動き出した中、日本発のグローバルメジャーを目指す大陽日酸は、如何なる海外事業戦略で挑むのか。14年4月の組織変更で新たに誕生した国際・経営企画本部の初代本部長、小林邦裕執行役員に訊いてみた。
国際・経営企画本部は、従来の経営企画・広報・財務業務に、海外企画・、事業開発・プロジェクトエンジなどの機能を加え、日本以外の全世界の経営管理を束ねた本部である。小林氏は「企業の持続的な発展を鑑みれば国際化の道は避けられない。そこで海外に力点を置いた本部を新たに立ち上げました。当本部のミッションは、同じ14年度スタートの中期経営計画及び長期目標に沿ったものとなります」と説明する。
【焦点】「半導体プロセスの変革期はガス需要が格段に増える」
昭和電工 森川宏平 執行役員情報電子化学品事業部長
アンモニア、塩素、亜酸化窒素、臭化水素、4種の高純度ガスに注力
昭和電工の電子材料用高純度ガス事業が好調だ。今年度を含む過去3年はいずれも売上高の伸び率が15%以上を記録。このほど公表した新中期経営計画では「成長加速」を担う筆頭の事業に位置付けた。統括責任者である森川事業部長は来年1月4日付けで常務執行役員へ昇格することが決まっている。
「一昨年の下期から半導体・液晶・LED問わず顧客の工場稼働率は総じて高水準で推移している。これが高純度ガス事業を押し上げた大きな要因である。すべてのガスの需要が旺盛だった。一部のガスは需給がひっ迫するほどで、中でもC4F6はかなり足りない状況にあったと見ている」
同氏によると、半導体産業は現在製造プロセスの変革期にある。微細化と多層(3D)化が同時に進み、使用するガスの種類や量が大きく変化している。C4F6の需要が急増したのはこの動きに呼応したものだ。
【溶接・溶断市場】「新型ファイバーレーザは開発部隊の知恵の結集」
日酸TANAKA 谷野正幸社長
FANUCとタッグ、純国産で顧客の期待に応える
経営の厳しい状況が続いていたが、一昨年は3年ぶりに復配、前期は久々の好業績、目標の利益を大幅に上回った。今期は昨年に続きFA事業が順調に推移しており、売上を牽引しているが、利益面では若干厳しい状況。日酸TANAKAの谷野正幸社長は、12月のインタビューで昨年よりも若干厳しい面持ちだ。
しかし、9月に発売した門型ファイーバーレーザ切断機の次世代機「FMRⅡ」には、社長就任以来掲げる「コア技術を伸ばす、技術開発の強化」の号令の元、同社らしい高グレードの製品に仕上がったと自信を見せる。特に、今回はFANUCとタッグを組み、ファイバーレーザ発振器に新規参入したFANUC製第1号発振器を採用し、話題を集めた。
ガスレビュー目次
国内市場
15
・昭和電工ガスプロダクツ、ハダニ防除用炭酸ガスを茨城県中心にシリンダー販売開始
・岩谷直治記念財団、第42回岩谷直治記念賞、岩谷科学技術研究助成の対象者を決定
・日本精線、有機ハイドライド脱水素装置、スケールアップして枚方工場で検証
・昭和電工、新中期経営計画「プロジェクト2020+」策定
・日本エア・リキード、都心近郊にR&D施設向け事業用地購入
・日本液炭、水島工場液炭製造設備増強
・小池酸素工業、3月開催の東京こいけ市に向け決起大会開催
短信
19
・サイサン、電力小売自由化の新CM放映
海外市場
22
・大陽日酸、米テキサス州のディストリビューター買収
・テイラーワートン、クライオサイエンス部門をワージントンに売却
HOT ASIA PRESS
22
・OCIマテリアルズ、株式の49.1%を大手財閥SKに4600億ウォンで売却
流通回路
23
・ハマイ、FCV車載用タンク向けPRDを開発
・昭和電工ガスプロダクツ人事異動
・アネスト岩田、第2四半期決算増収増益
・岩谷産業、エコプロダクツ2015に出展
・前川製作所、水素ステーション向け冷凍機全国10ヶ所、12台納入予定
・神和コントロールズ、パッケージ型水素ステーション向け小型冷凍機、岩谷産業などへ納入
・ガス物流ネット、高圧ガス輸送ドライバー向け姫路安全スクール受講者が400名突破
エネルギー
28
・岩谷産業、秋田LPGセンター竣工
レアガス需給
29
・変動しやすいレアガス市場
DATA
31
・工業ガスメーカー7社、公開特許取得件数
最新工業ガス関連株式市況
31
ガスレビュー指標
32
・ガス関連機器編
TOPICS
34
・炭酸泉が湧くマンション登場
時事コラム
35
・高圧ガス保安協会総合研究所、水素安全技術セミナー開催
決算
36
・フクダ電子
・ジーエルサイエンス、テクノクオーツ

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