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No.835号

2016.03.01発行

ガスレビュー No.835号(2016年03月01日)

【HOT ASIA PRESS】エア・ウォーター、米テーラー・ワートン傘下低温機器メーカーの全株式取得

マレーシア現地法人を子会社化

 エア・ウォーターは2月17日、米国の低温機器メーカー、テーラー・ワートンのマレーシア現地法人で低温機器を製作するテーラー・ワートン・マレーシアの全株式を取得、子会社化した。
 エア・ウォーターにとっては、海外で初の液化ガス供給機器製造拠点を得たことになり、海外での産業ガス事業に欠かせないLGCや低温貯槽の開発拠点としていくとともに、アジア、北米を中心に需要成長が進むLNGバルク供給におけるコンテナやローリー、タンクなどの製造所として活用していく。
 1742年創業の低温機器メーカーの老舗、テーラー・ワートンは、本誌827号既報のように2015年10月、米連邦倒産法11章を申請、その後の再建手続きにおいて各事業及び資産の売却が進められていた。マレーシアの現地法人も売却対象となり、昨年末の入札でエア・ウォーターが優先交渉権を獲得した。その後、交渉を進め、本年2月17日をもって、全株式を取得する手続きが完了したものである。取得金額については明らかにしていないが、数億円に上るとみられる。

【国内市場】2016年上半期設備投資計画

1000億円レベルの大型投資皆無

 2016年上半期の民間企業の設備投資計画(10億円以上)は総額約6080億円が見込まれる。規模は100億円以下が大半で、1000億円を超える大型設備投資はない。昨年は東芝四日市やマイクロン東広島、ジャパンディスプレイ白山などの半導体・液晶大型投資があったが、現時点ではそれもない。全体的に見て小粒な印象は否めない。製造業の国内回帰は起きていないことがデータからも分かる。

【MIP・VIP】「水島での炭酸ガス回収で三菱ケミカル効果」
吉村章太郎 大陽日酸会長

米国事業拡大にも意欲

 2016年度は2014年春に策定した3カ年中期経営計画の最終年度となる。その公表した日に三菱ケミカルホールディングスの傘下となることも併せて発表されたわけで、強い決意を持って臨んだ記念碑的な経営計画であった。
 「今年は中計の最終年度とあって、すでに市原社長が発表したように、メジャークラブの方々にもキャンペーンの協力をお願いすることになる。新しい中計の策定も準備しなければならないが、三菱ケミカルホールディングスのグループに入って初の本格的な中計となるだけに、その効果も織り込んで練っていきたい」
 三菱ケミカルホールディングスとの直接的なガス事業効果として、すでに水島コンビナート内でのエチレンプロセス排ガスからの炭酸ガス回収が進んでいる。日本液炭は安定した新規ソースを確保し、三菱ケミカルから見ても排ガスの有効利用や電気の利用先の確保というメリットも生む。

【FC EXPO 2016 プレ特集】商用水素ステーション第1弾、4大都市圏で81カ所計画

全国のステーションを地域別、使用別、形態別に分類

 2015年は燃料電池自動車、MIRAIの一般発売が世界に先駆けてスタート、まさに水素をエネルギーとして利用する水素社会の幕開けとなった年だったが、工業ガス業界にとっても、高圧水素ハンドリング技術が活かされる商用水素ステーションの開設が始まり、事業化に向けて始まりの1年となった。
 日本の商用水素ステーションは、2016年1月末現在で81カ所の計画がある。このうち36カ所が既に開所済み。当初目標では「2015年度末までに東京、名古屋、大阪、福岡の4大都市圏に100カ所程度整備」が掲げられた。100に対して81だから、目標を下回る水準ではある。残り19カ所については16年度以降に整備していくことになる見込みだ。

【焦点】東京ガスグループ・リキッドガス事業の中核企業となった東京ガスケミカル
田嶋義明 東京ガスケミカル社長

4月1日「東京ガスリキッドホールディングス」設立

 東京ガスは4月1日付で同社のリキッドガス事業会社―東京ガスケミカル、東京ガスエネルギー、日本超低温の3社を統括する持株会社、東京ガスリキッドホールディングス(資本金1000万円)を設立する。
 その中核を成す東京ガスケミカルの田嶋義明社長は「東京ガスはグループ会社の事業分野別に経営資源を集約化してグループの収益の柱とする方針を推進しており、今回もその取り組みの一環」とする。

ガスレビュー目次

水素エネルギー

12

・岩谷産業、日本初のコンビニ併設型水素ステーション、東西でオープン
・イワタニ水素フォーラム大阪開催
・日本製鋼所、小型水素ステーション向けに鋼製蓄圧器と圧縮機のユニット開発

流通回路

27

・加地テック、第3Q大幅増収
・大阪高圧ガス熔材協同組合、高圧ガス関係保安研修会開催
・大丸エナウィン、第3Q減収増益
・岩谷産業の大津水素ステーションを三日月滋賀県知事が視察
・京立商事、15年12月期決算売上高12億円で横ばい
・阪神鋼材、16年1月期決算、売上高前年同期比10%減収

DATA

29

・粗鋼生産量1億トン台キープも5%減

最新工業ガス関連株式市況

29

ガスレビュー指標

30

・ガス関連機器編

トピックス

31

・長野計器、九州大学水素材料先端科学研究センターとの共同研究

時事コラム

31

・アドバン理研、小型PSAのユニット技術で2件の意匠登録
・大陽日酸、携帯型液体酸素装置「ほたる」レンタル開始
・大幸薬品、ハイアール子会社に二酸化塩素の空間除菌技術を提供

海外決算

32

・プラックスエア、2015年通期減収減益

海外市場

33

・エア・リキードとエアガス、臨時株主総会を2月23日に実施
・エア・リキード、人工衛星にキセノン供給
・リンデ、W7-X原子炉に1万L相当のヘリウムデュワー供給

第3四半期決算

34

・エア・ウォーター
・岩谷産業
・東邦アセチレン
・新コスモス電機
・理研計器

組織人事

36

・岩谷瓦斯

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