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No.840号

2016.05.15発行

ガスレビュー No.840号(2016年05月15日)

【ディーラーランキング】2015年50億円以上ディーラー実績

LPガス輸入価格下落・機械設備投資増を色濃く反映

 2015年に決算期を迎えた全国の工業ガスディーラーのうち売上高50億円以上の58社の売上高総計は、本誌調べで8809億44百万円となったとみられる。なお、今回のランキングからLPガス主体の大丸エナウィン(大阪)の業績を含んでいる。本誌No.818(2015年6月15日号)既報の14年ガスディーラーランキング(50億円以上)総計は8561億63百万円であり、大丸エナウィンを除いた15年総計は8642億95百万円で、対前年比81億32百万円、0.9%の増加という結果となった。今年ランクインした58社の業績を14年と比較してみると0.7%減となっている。
 2015年の工業ガスディーラーに関連した市場環境を振り返ると、原油価格の低下に伴うLPガス販売価格下落局面にあった時期であり、政府の景気振興策の一環で機械設備関連の導入補助金が増加、レーザ加工機や溶接ロボットといったガス関連機器・設備の新規導入が追い風となった時期でもある。その影響はガスディーラーの業績にも色濃く反映されている。

【在宅医療特集】酸素濃縮器&呼吸同調器、個性化の時代へ

JIS規格への適合

 2012年3月28日に薬事法の電磁両立性に関する規定が変更され、それに伴い日本工業規格も改正された(JIST0601-1-2:2012)。これは周囲に電波の利用機会が拡大する中、医療機器には電磁的な不干渉性および耐性を高めた部品を使うよう、部材や試験の要求レベルを上げるもの。同年の6月1日には医用電気機器の基礎安全および基本性能に関する一般要求項目(JIST0601-1)が改正され、一般試験法から環境保護、リスクマネジメントまで、以前より一段厳しく規定された。5年の経過措置期間が来年終わり、「601-1-2」は17年4月から、「601-1」は同6月から旧JIS規格品が販売できなくなる。
 各社は2つの新JIS規格に適合する新製品を開発し、このタイミングで2~3年前から、まずはメイン機種から酸素濃縮器・呼吸同調器の後継機種への切替が始まった。最新の在宅医療関連機器トレンドを紹介する。

【医療ガス関連市場】JIMGA(日本産業・医療ガス協会)、日本麻酔科学会、日本医療ガス学会の三者で医療ガス誤認防止策合意

チラシも作成、周知図る

 日本産業・医療ガス協会(JIMGA、間邦司会長)、日本麻酔学会(外須美夫理事長)、日本医療ガス学会(武田純三理事長)の三者は4月22日付で、患者搬送時に小型酸素ボンベと二酸化炭素ボンベの誤認事故が発生していることを受け、2012年12月19日に「医療用二酸化炭素ボンベに関する合同会議」を開催し、翌13年5月に誤認防止を目的に第1回の提言「搬送時に使用する小型酸素ボンベと二酸化炭素ボンベの誤認事故防止対策について」を提言した件に関して、その後協議を重ねた結果、従来の対応に、医療用の小型ガスボンベについて、ラベルを二酸化炭素ボンベは橙色、酸素ボンベは白色とするなどの新たな項目を加え、協力して推進することを合意したと発表した。

【水素エネルギー】江藤酸素グループ、大分県初の水素ステーション開所

 九州の有力ガスディーラー、江藤酸素は、グループ会社の江藤産業と設置を進めてきた移動式水素ステーション「大分EBL水素ステーション」が完成し、4月21日に運用場所となる江藤産業所有のモービルエコスタンド内で開業式を行った。
 大分初となる同ステーションは、九州では福岡の9カ所、佐賀の1カ所に続いて11カ所目となる。同社充填所内にあるオートガススタンドに隣接して設置し、岩谷産業の移動式ステーションを使いFCVへ充填する。投資額は、ステーション本体や水素カードル、受電設備等の周辺設備を含め約2億5千万円、そのうち1億8千万円の設備設置費を国家補助で賄う。

【地域市場再発見・北陸】絶好調バス・製薬と13%減産コマツの好対照

LPガス減収をカバーする各社独自の取り組み

 北陸新幹線開通から1年が経ち、開業フィーバーの喧騒も静まり日常を取り戻しつつある北陸地域、北陸新幹線の利用者数は予想より早期に1千万人を超えるなど、観光、ビジネスの足として定着しつつある。一方で空路の富山、小松―羽田便は、北陸新幹線の影響で搭乗率低迷が続き、今年から減便する航空会社も出てきた。地元ガスディーラーも「東京からの終電が21時だから商談もやりやすい」と、ぐっと縮まった新幹線効果を指摘しており、陸・空で明暗が分かれている。
 当地区の大ユーザーともいえるコマツが中国事業で苦戦、昨年度はじめには「13%の減産計画」を発表、計画はそれ以降変更されていない。エレクトロニクス分野でも、東芝が白色LED事業からの撤退を決め、生産拠点である加賀東芝エレクトロニクスも縮小している。一方で、パナソニック・タワージャズは当地区にある
砺波、魚津の2工場の稼働率が50%を超えるところまで復調してきた。また、観光客増加を受けてバス製造関連や、ジェネリックを中心とした製薬関連は絶好調である。そしてこうしたユーザーの明暗は当域のガス需要を左右させる。

ガスレビュー目次

国内市場

15

・昭和電工、光るLED式植物工場システム実績25件
・ダイヘン、世界初の高効率厚板溶接技術を開発来春発売予定
・Jシリンダーサービス、東松山工場竣工
・大阪ガス、水素製造装置ハイサーブの納入実績が20台超
・アドバン理研、小型PSAの中台輸出が好調
・大陽日酸、排ガス処理装置が復調、今年度は売上高20億円見込む
・神戸製鋼所、大型ターボ圧縮機市場へ参入

時事コラム

21

・コフロック、ミニキューブシリーズにオゾン発生装置追加
・八千代工業、水素ステーション向けタイプ4蓄圧器開発中

エレクトロニクス関連機器

23

・堀場エステック、小石秀之副社長が社長に昇任

流通回路

31

・指定検査機関連絡協議会、第24回総会開催
・大陽日酸ガス&ウェルディング、全国春夏冬会懇親会開催
・ウエキガスケミカル、小田商店の営業権を取得
・江藤酸素、造船牽引で第2四半期増収も下期は地震の影響必至
・西日本イワタニガス、役員人事

DATA

33

・2015年全世界シリコンウエーハ出荷面積過去最高

最新工業ガス関連株式市況

33

ガスレビュー指標

34

・ガス編

技術レビュー

35

・テュフ ラインランド ジャパン、大阪にCNG/LPG車部品対象の高圧ガス試験設備を開設

組織人事

36

・大陽日酸
・日本液炭
・高圧ガス工業
・エア・ウォーター
・渡商会
・大丸エナウィン
・仁木工芸

決算

37

・日本エア・リキード
・エア・ウォーター、業績修正
・岩谷産業、業績修正

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