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No.843号

2016.07.01発行

ガスレビュー No.843号(2016年07月01日)

【市場分析】潮目が変わるヘリウム需給環境

中国の爆買いで再びタイト化の可能性も

 2014年を境に世界的なヘリウムの余剰現象が続いている。世界経済が失速し、需要が伸び悩む一方で、新規の大型プラントであるカタール2が操業を開始。現在まで稼働率110%と好調な生産を続けているからだ。
 市場では当面この状況が続くと見る向きもあれば、来年以降にバランス、または再度需給が引き締まるという観測も出ている。後者の理由の1つは中国の半導体産業がヘリウムの爆買いに走る可能性があるというもの。一部のガスメジャーはこれを見越して現在も玉の確保に奔走中だともと言われる。
 数年後のヘリウム需給を予想するのは難しい。ただしBLMがクリフサイド貯蔵庫からの民間払い出しを2020年付近に終了することだけは決まっている。これはヘリウム供給の米国依存が弱まり、反対に中東依存が強まることを意味している。
 つまり今後はカタールやアルジェのカントリーリスクがそのままヘリウムの事業リスクに直結することが想定される。こうした点でもサプライヤーにとっては調達先の複数化が従来に増して重要なテーマになっている。

【容器検査】伊藤高圧瓦斯容器製造所、来年よりRFタグ取付受託業務開始

作業効率向上目指す

 一般高圧ガス容器検査会社の伊藤高圧瓦斯容器製造所(伊藤知佳子社長、東京都大田区)は、来年早々にも容器へのRFタグの取付受託業務を開始するため、システム作りなど準備を進めている。
 現状、RFタグは高圧ガス充填所で取り付けることが多いが、1度に取り付けられる本数には限りがあるため作業効率が上がらず、充填所を持たない販売店では、所有容器にどのタイミングで取り付けるかなどがRFタグ推進への課題の1つとなっている。
 その解決法として検討されているのが、容器再検査所でのRFタグ取付けだ。5年毎の耐圧検査時にRFタグを取付けていき、取付作業の効率化を図れるためだ。RFタグを推進するJIMGAは数年前から、全国100以上の容器再検査所が加盟する全国高圧ガス容器検査協会(全検協)へ協力を促している。これを受け全検協では、全国で行っている主任者講習会でRFタグについての説明会を実施している。

【トピックス】ハウステンボス、「変なホテル」で再生可能エネ由来電力の自給自足にチャレンジ

東芝製水素電力貯蔵システム導入

 長崎でテーマパークの運営を主力事業とするハウステンボスは、第4のオフィシャルホテル「変なホテル」に、再生可能エネルギー由来の水素を活用した東芝製電力貯蔵システム「H2One」を導入した。3月15日より稼働し、144の客室のうち12室への電力供給を担っている。
 本誌や姉妹誌「ハイドリズム」でも取り上げてきたように、製造・利用の両段階でCO2を排出しない「CO2フリー水素」による電力貯蔵・供給は、主に地方自治体が中心となり全国各地で行われているが、いずれもまだ研究・実証段階。民間の事業所が本格的に導入するのは珍しく、東芝としても初の納入案件である。
 東芝の自立型水素エネルギー供給システム「H2One」は、太陽光パネル、蓄電池、水電解装置、水素タンク、純水素型燃料電池などから構成され、パッケージ化されている。太陽光で発電した電気の一部を水電解装置に送り、貯水タンクの水を電気分解、水素を発生し、貯蔵する。貯蔵した水素は必要なときに燃料電池での発電に利用する。今回の変なホテルでは、夏場に貯めた電力を日照時間の少ない冬場に充てる計画で、水素の特性を利用した長期の電力貯蔵に挑戦するものだ。

【経営】「ニーズに合わせたブランド展開で継続的成長を実現」
ミッシェルジャパン 川野能敬社長

充実したサービスで信頼を得る

 2005年5月に創立、2006年に営業をスタート。毎年2ケタ成長を続け、門外漢ながら難しい露点計測に向き合い、機器の校正にこだわった。10周年を迎えたミッシェルジャパンの川野能敬社長に基盤作りの軌跡を訊いた。
「もともと私が技術者なので、お客さんと話して技術的に説得するのが喜びと感じます。値段で勝負するのでなく、納得して買ってもらいたい。価格交渉等、営業判断は現場に裁量を委ねますが、営業には利益を出すという意識は大事にしてほしい。その利益を元に入荷品の全品検査、サービス設備を充実させ、技術力をバックに販売します。・・・サービス面をみて、お客さんは評価して製品も信頼してもらえる。サービスありきのスタイルが意味を成します。」

ガスレビュー目次

財務

6

・ダイヘン自社株買い

MIP・VIP

7

・「米国での大型M&Aで満を持す」
大陽日酸 市原裕史郎社長

焦点

9

・「600億超企業を見据え、社内体制・営業力・技術力の三点強化」
マツモト産業 吉田充孝会長兼社長

国内市場

10

・岩谷瓦斯、イワタニ尼崎ガスセンターの竣工式を開催
・カンケンテクノ、大気圧プラズマ式除害装置の累計販売台数が1000台を突破
・エア・ウォーター、酸素PSA事業が堅調/昨年度は輸出含め5台納入
・大陽日酸、水素・プロピレン系ガス混合の溶断ガス発売
・北海道エア・ウォーター/曽我部康社長
売上高1000億円目指し「技術力」と「北海道らしさ」で新規事業開拓図る

時事コラム

14

・FOOMA JAPAN 2016、国際食品工業展に窒素PSAメーカーが出展
・大宝産業、PLC専用新型液面計の販促キャンペーンを実施中
・環境省、再生可能エネルギー由来の水素ステーション補助事業9件採択
・大阪国際消防防災展にガス関連各社出展
・タテホ化学工業、響灘(北九州市)に電磁鋼板用マグネシア新工場建設

人事

16

・希代のガス事業家、青木弘氏
48年間の取締役を勇退

流通回路

19

・大合商会、大合大洋溶接祭2016を開催
・全溶連、第73回通常総会を大阪で開催
・JIMGA、平成28年度定時総会開催
・東高連、創立50周年記念式典・懇親会開催
・低温工学・超電導学会関西支部、16年度第1回講演会・見学会開催

DATA

21

・2015年暦年圧縮水素出荷量

最新工業ガス関連株式市況

21

ガスレビュー指標

22

・ガス関連機器編

環境テクノロジー

23

・東京ガスとRITE、貯留層の微小な隙間に入り込むマイクロバブルCO2の研究開発を推進

エネルギー

25

・第59回全国マルヰ会総会、松山で開催

決算

26

・大丸エナウィン
・関東電化工業
・エア・ウォーター防災
・小池メディカル
・帝人

組織人事

27

・エア・ウォーター、青木名誉会長、代取外れる
・大陽日酸
・大陽日酸東関東
・サーモス、社長交代

短信

28

・高圧ガス保安協会東北支部協賛会、7月に第28回技術交流会開催

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