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No.845号
2016.08.01発行
ガスレビュー No.845号（2016年08月01日）
【液化炭酸ガス・ドライアイス特集】ソースリスク継続中の液炭・ドライ供給
高度化法第2弾が焦点
例年、夏場に需給がざわつく液化炭酸ガス・ドライアイスであるが、今夏もタイトリスクが顕在化している。最早真夏の年中行事のような趣もあるが、原料ソースを石油精製などに委ねる同業界では、慢性的な粗ガス供給量低下の中、矢継ぎ早に起こるソース消滅リスクに対応して、供給力の調整に追われてきた。飲料、冷却をはじめ農業・食品向けに需要は堅調なだけに、サプライヤー各社はピークニーズに応えるため、綱渡りの玉繰りを強いられることになる。
【焦点】『ガス＆ロボット』で飛躍
岩谷産業 堀口誠 取締役産業ガス・機械事業本部長
2事業のシナジー探る
6月28日の株主総会後の取締役会で取締役産業ガス・機械事業本部長に任命されたばかりの堀口誠氏に、岩谷産業の産業ガス関連事業のリーダーとしての意気込みと今後の方針について聞いてみた。
就任から慌ただしく経過した2週間余りの間で、堀口氏が心に刻むのが、かねてから思いを込める「日々に新たに」という言葉である。「昨日よりも今日、今日よりも明日、一日に何か一つでも新しいことに取り組んでいこうという意味です。地味だけどとても気に入っていて、常に新しい仕事に挑戦する姿勢を忘れないようにとパソコンの前にも貼って、気を引き締めています。就任に当たって牧野（明次）会長兼CEOからはチームワーク良く、そして風通しの良い組織を作って欲しいといわれました。仲間とともに足元を固め、新しい事にチャレンジしていきたいですね」と意気込みを語る。
【防災】安全規制強化で進む原発のハロン導入
窒素系は伸び悩み、耐震検査・CO2回収などサービス充実
昨夏の本誌823号にて、再稼動を控えた原発向けの消火用ハロン需要増を報じたが、半年以上を経た現在もなお消火設備の増強が続いている。国内には17カ所48基の原発が存在し、うち稼働中は九州電力管内の川内原発1・2号機のみであるが、再稼動に向けた準備が進められている高浜、玄海、伊方などでもガス消火設備の新設・更新の動きがあったとみられる。
オゾン層破壊物質であるハロンはすでに生産が禁止されているが、消火能力の高さに加え、ガス放出後に室内の内圧を逃がす付帯設備である避圧口が不要であることから、現在でもメーカー備蓄分や既存設備からの回収分の使用は禁止されていない。「クリティカルユース」と呼ばれ、ハロンの使用が最適とされる通信機関や美術品保管場所などにも納入されるケースがある。
消火設備メーカーによると、クリティカルユースの案件の場合、ハロン納入量は最大10t程度だが、原発の場合は1つの建屋だけで2～3t、大規模な発電所では50tにものぼるとされる。一方で、消火設備メーカーが備蓄するハロン量は700t程度とみられ、各社は原発への供給による在庫払拭を懸念している。
【落札】官報告示16年1月～6月、落札件数148件
高圧ガス53件、最多落札は巴商会13件
官報16年1月～6月で告示された落札情報のうち、高圧ガス、ガス関連機器、ガス企業が関係している落札件数は148件となった。
148件中、医療用も含めた高圧ガスの落札案件は53件だった。このうち最多は巴商会の13件で、鈴木商館（4件）、アトックス（4件）らが続く。またエア・ウォーターは地域事業会社落札分を合算すると、7件落札している事となる。
ガスレビュー目次
焦点
9
・「エネルギー分野へ着実に実績をつける」
小林久悦 理研計器代表取締役社長
市場動向
11
・排ガス処理装置、処理時のCO2フリーと3D半導体対応がトレンド
海外市場
15
・続報 タンザニアのヘリウム、ヘリウム・ワンは3ヶ所のヘリウム埋蔵地を重点調査
・エアプロダクツ、パフォーマンスマテリアルズ事業38億ドルで売却
エレクトロニックマテリアルズ事業を分社化へ
経営
20
・シマキュウが創立80周年記念感謝会開催
国内市場
21
・エア・ウォーター・福岡酸素、共同出資の長崎液酸竣工
・大陽日酸、メジャークラブメディカル会開催
・東京ガスケミカル、高分子天然ガス圧接工法で15年度455件施工
・東京都、今年度第1回目の水素社会の実現に向けた東京推進会議開催
・ハムロンテック、腕時計の防水試験に使われる窒素ガス
・日立産機システム、15年度窒素PSA出荷台数過去最高を達成
・西日本イワタニガス、イワタニグループのシリンダーガス事業会社、東西2社に再編してスタート
時事コラム
26
・チャートジャパン、ポータブル型酸素濃縮装置レンタルが200台を突破
・バイタルエア・ジャパン、共和医理器の在宅医療事業譲受
・グローバルCCSインスティテュート、Japan CCSフォーラム2016開催
ニューアプリケーション
29
・ソフトバンク、熊本地震で気球無線中継システムを初運用
・タツノ、地下タンクリーク検査用窒素、対象タンクは全国28万本強埋設
流通回路
31
・カミマル、3月期売上高微減
・三幸医療酸素、16年度売上高前年比約21％増
・低温工学・超電導学会関西支部、16年度第2回講演会・見学会開催
・兵庫県高圧ガス協同組合、次世代経営研究会を開催
・日鉄住金機工、溶接継手トップのベンカンと事業統合
・鈴商空調販売、九州営業所設立
・日東工機、役員人事
・岩谷産業、女子駅伝チームを創設
DATA
33
・世界半導体製造装置市場予測
最新工業ガス関連株式市況
33
ガスレビュー指標
34
・ガス関連機器編
決算
38
・長野計器
・ジーエルサイエンス／テクノクォーツ
・アネスト岩田
・内外テック
・デンカ
組織人事
39
・フジキン
・住友精化
・日酸TANAKA
・新コスモス電機
・タテホ化学工業
・鈴木商館
・静岡酸素
・コールド・エアー・プロダクツ
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