【特集・高圧ガス容器に関する今日的課題と対策】シリンダーに注がれる熱視線

検査事業、容器管理システムなど付帯サービスの賑わい

工業ガス事業の原点というべきシリンダーに対する視線がいつになく高まっている。
国内ガス市場が成熟期を迎え、既存液・バルク、大型オンサイトの新規案件や消費増量が見込みにくい中、シリンダーから始まるニューアプリケーションの創出に期待が掛かるからだ。
弊誌誌面を飾る記事もシリンダーに関わるものが目立つようになってきた。
農業・食品向けのようなニューアプリケーションしかり、都市部での充填所投資、容器回収・処理事業、検査所リニューアル、容器管理システムなど、シリンダーに関わる様々な付帯ビジネスも賑わいをみせている。

【特集・序】牽引役なき時代の根強いガス需要の主役はシリンダー

ガス事業の恍惚となるほどの僥倖は、もちろん多様なアプリケーションを齎す根源性、初源性に求められる。古代ギリシャやインドの哲学が自然界の哲理を解明ー人間社会のアイデンティティを探ることにほかならないーしようとした時、空や空気は必ず四大とも五大とも称される根源物質に想定された。目に見えぬ気配によってのみ感じるしかない由に、地、水、火、風を混合させる中心要素とする考えすら一方にあるくらいである。