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No.850号
2016.10.15発行
ガスレビュー No.850号(2016年10月15日)

【市場動向】3D半導体は炭化水素がお好き
リソ・ハードマスクのPECVD材料用
最先端半導体プロセスは、現在、3D(次元)へ大きく踏み出した。サムスン電子、東芝、インテル、TSMC、SKハイニックスなどが次々に量産ライン導入に動いている。
その中で新たな材料ガスとして本格的な利用が始まったのが、プロピレン、アセチレンを始めとする炭化水素系ガスである。
用途はダブルパターニングに対応するものでアモルファスカーボンハードマスク成膜のPE(プラズマ)CVD用材料である。
薄膜にアモルファスカーボン膜をマスクとして付けることで下地を保護する役割を果たす。
これまエキシマレーザを除けばで材料ガスと無縁であったリソグラフィプロセスにも材料ガスが利用され始めたのである。
【水素エネルギー】岩谷産業、水素本部設立
トヨタグループ特化の豊田支店新設
岩谷産業(野村雅男社長)は、10月1日付で新たに水素本部を設立した。これまで分離していた水素関連部署を一元化する事が狙いである。同社では同本部設立により、同社の扱うあらゆる水素関連事業に関する企画、供給体制の構築、また事業の採算性に至るまでの一元管理を行い、これまで以上の事業効率化を図るとしている。
これまで同社の水素関連部署には、本社管理部門の水素エネルギー部、及び産業ガス・機械事業本部が管掌する水素ガス部があった。水素エネルギー部は主に水素ステーション整備計画の立案・推進、また同計画に関する補助金申請等の技術的サポートを担い、水素ガス部は一般工業用から宇宙ロケット用、FCV用に至るまで、同社の扱うあらゆる水素の拡販を担当していた。今回、この両部を水素本部に移管する事で、事業の一元化を行い、迅速な事業を展開するとしている。
【機器メーカートピックス】日酸TANAKA、プラズマ切断機の生産性を向上
内覧会で100年の軌跡も披露
日酸TANAKA(谷野正幸社長)は、9月14日〜16日の3日間、本社・埼玉工場構内で内覧会を開催し、リニューアルしたプラズマ切断機や、ファイバーレーザ切断機、CO2レーザ切断機など主力厚板切断機のほか、サンカッターHL‐Tを使用した水素ガスロボット切断の実演等を披露した。会期中182社・320名が来場し、「7件の成約があったほか、有力な引き合いが多数あった」とする。
今回、同社は久しぶりにプラズマの最上位機種をフルモデルチェンジ。新機種「KT‐790PMXⅡ」は、〝質実剛健〟をテーマに、軽量化や駆動装置のパワーアップを図り、駆動性を向上させた。無駄を省いた機体設計により、早送りやマーキング速度を従来比1・25倍に向上させ、イニシャル高さ倣いからピアシングまでの時間を短縮。また、ノズルの鋼板接触率を低減させ、アラーム停止後の復帰時間も早めた。
【企業研究】エア・ウォーターの持続的成長には地域事業のさらなる飛躍が不可欠
豊田昌洋エア・ウォーター代表取締役会長CEO
前中計の最終年度となった2015年度決算では、ケミカル部門の持分法投資損失の影響を受け、経常減益で終えたが、その他事業部門は予想を上回る結果で終わった。とりわけ全国9つの地域事業会社が、全て増収増益となり、力をつけてきていることに豊田昌洋会長は手応えを感じている。「地域事業会社は、我が社の中核になると確信を新たににしました」と語る。
ただ、本年度から20年度1兆円達成に向け新たな中期計画を実施するにあたり、豊田氏は地域事業会社にさらなる飛躍を求めている。
具体的には、エア・ウォーターが手掛ける全ての事業をフォローする事業体となることである。現状、北海道エア・ウォーター、しなのエア・ウォーターの2社を除くと売上の主体は、産業ガスと医療から成り立っている。
【地域市場再発見九州その②】ロボット、レーザ加工機が救世主
中・南九州ガス溶材市場
ガス消費は全業種伸び悩む
熊本地震発生から6ヶ月が経った。ユーザー始動は予想より早く、ルネサスセミコンダクタの川尻工場も5月末には震災前の生産能力まで回復、三菱電機でも熊本にある半導体関連の2工場を6月末までに復帰させた。9月にはホンダ熊本工場が生産を全面的に再開させるなど、大手工場は続々と通常状態に戻りつつある。
震源地の熊本や、鹿児島、宮崎、大分の近県のガスディーラーは設備点検や安定供給に奔走した。幸いにもガス設備に大きな被害はなく、一時的なガス供給の落ち込みはあったものの、震災前にほぼ戻っている。
前号の北九州その①での北九州レポートに引き続き、中・南九州のガスディーラーに市況を取材すると「ガス微減、機器微増」と答えがほとんどであった。ユーザーの設備投資は進むもガス需要が比例してこない状況だ。各社とも停滞するガス需要を横目に新たな一手を模索する。
今号では、九州特集その②として、熊本・鹿児島・宮崎・大分の中・南部4県のガスディーラーを取材した。
ガスレビュー目次
国内市場
13
・三興工業、親会社の佐竹製作所が山形工場の生産体制拡充
・大陽日酸、再生医療用細胞向け温度データ一括管理システム発売
・近畿エア・ウォーター、柿の脱渋用炭酸ガス、今シーズン360~370t納入
・クラレ、クラレケミカルを吸収合併
時事コラム
16
・岩谷産業、日本の伝統芸能「文楽」支援基金創立
・小池酸素工業、東京IK会本部総会開催
流通回路
23
・百一酸素、創業80周年謝恩大展示会開催
・千代田精機、神戸第3工場竣工
・岩谷産業、エアゾールメーカーのエヌ・ケイ・ケイを子会社に
・鈴木商館、陸川理事退任
・大丸エナウィン、人事異動
・高圧ガス保安協会東北支部、11月24日に東北大会開催予定
・大阪府高圧ガス地域防災協議会、平成28年度防災訓練実施
DATA
25
・建設機械国内出荷金額
最新工業ガス関連株式市況
25
ガスレビュー指標
27
・ガス編
短信
27
・エバ、第20回エバシンポジウム開催
海外市場
28
・BLM、2017年ヘリウムオークション実施
大陽日酸、米国で液化炭酸ガス・ドライアイス工場新設
組織人事
28
・日本エア・リキード
・岩谷産業
・エア・ウォーター
・大陽日酸

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