【市場分析】2016年下期～2017年上期設備投資状況

医薬、食品、自動車、航空機関連で動きも小型投資中心

2016年下半期～2017年上半期の産業分野の設備投資状況（公共投資除く）は全国で171件、総額8952億円となった。
地域別では関東が最も多く、次いで近畿、北陸・甲信越・中・四国となっている。アベノミクスでは国内製造分野の設備投資を呼び掛けているが如何せん粒が小さい。基幹産業である鉄鋼や製紙・パルプの投資は老朽化対応が中心である。
　比較的好調な分野は医薬関連である。東和薬品などのジェネリック大手は新工場建設計画を進め、テルモ、ニプロ等の医療用器具大手メーカーは成長する中国をはじめとする東南アジア市場向けに対応すべく国内工場を増強している。
紙おむつ大手のユニ・チャームは国内では大人用に、海外向けでは幼児、女性向け生産を強化している。

【エレクトロニクスガス関連機器】高純度継手市場に見る、セカンドグループメーカーの攻勢準備

国内外のエレクトロニクス産業はここ2年程の間に、半導体メーカーの工場新設も含め生産ラインへの設備投資、半導体製造装置需要の急回復が顕著になっている。それに伴い、エレクトロニクスガス各関連機器の需要伸長も明らかになってきた。中には作る先から製品が出荷し、供給が需要に追い付かないエレクトロニクスガス関連機器メーカーもあるという。それは各機器市場におけるトップグループの企業に顕著という。

【MIP・VIP】「仕切り直したリンデ・プラックス統合を注視する」

市原裕史郎　大陽日酸社長

発表したばかりの第3四半期の決算で営業利益、純利益ともに前年同期を上回った大陽日酸の市原裕史郎社長の脳裡の過半を占めるのは来たるべき大型M&Aへのシュミレーションであり、その備えである。いうまでもなく、国際ガスメジャー、独リンデと米国プラックスエアの運命的統合の行方であり、その実現する前提となる、分離事業のスケールである。