【特集「エレクトロニクスガス機器が創る第4次産業革命」】半導体は成長産業であり、ガス・機器市場は不死鳥である

セミコン・ジャパン2017各社出展内容

　東芝は3D‐NAND型フラッシュメモリへ1兆5千億円の投資を行うことを明らかにした。これは、日本の1企業が実施する投資額としては過去最高である。北上新工場建設計画には窒素オンサイトやガス警報器システムの引き合いが始まっており、ガス・機器需要が賑わい出している。
　巨額の赤字を抱える東芝が投資出来るのかという見方もあるが、同社のメモリ事業の利益率は
35～40％とされ、今年度売上高は1兆円を超える予測である。机上の計算だけなら借金は1年で返せる。それだけNAND型フラッシュメモリは作れば作るほど売れるのである。半導体市場は大きく進化した。ガス・機器も同様である。

【水素エネルギー】サクション瓦斯機関製作所、ピストン‐ダイヤフラム複合式コンプレッサー、70MPa水素ステーションで初採用

　コンプレッサーメーカーのサクション瓦斯機関製作所（竹内誠社長、本社：東京都江東区）は、水素ステーション向けにピストン式とダイヤフラム式を組み合わせたコンプレッサーを開発した。10月より三菱化工機が実証を進めているパッケージ型水素ステーション『MKK川崎水素ステーション』（本誌No.875既報）に同機が使用されている。
　水素ステーション向けとして開発された同機は、5段圧縮式で、吸込圧力は0.5MPaで吐出圧力は82MPa、吐出流量は340N㎥／h。1～3段目をピストン式で、4〜5段目をダイヤフラム式で圧縮する複合式コンプレッサーである。同社では、これまでに2002年から10年まで行われた「水素・燃料電池実証プロジェクト（JHFC）」に参画、充填圧力35MPaの実証用水素ステーション向けのピストン‐ダイヤフラム複合式コンプレッサーを開発し、5ヶ所の実証用ステーションで運用されてきた。その後もNEDOの「水素利用技術研究開発事業」の13年公募事業に採択され、70MPa充填の水素ステーション向けに複合式コンプレッサーの開発を行ってきた。

【IoT】安川情報システム、AIでプラントの故障予知

保守にかかる時間とコストを削減できるサービス販売開始

　近年鉄鋼や石油・化学等のプラントでは、安全性強化のためにセンサ数が増加、制御するデータ量も増えるとともに因果関係も複雑化しており、AI（人工知能）を用いた監視法が不可欠になってきている。
　安川電機グループでIT技術の開発・販売を行う安川情報システム（本社：福岡県北九州市、諸星俊男社長）は10月2日、プラントに設置された温度や圧力を検知するセンサから得た情報を、AIに学習させて正常稼働の指標となるモデルを作成し、そのモデルと実際の稼働データの乖離度を監視することで、故障を素早く予知できる故障予知サービス『MMPredict（エムエムプレディクト）プラントモデル』を販売開始した。