バックナンバー



No.890号
2018.06.15発行
ガスレビュー No.890号(2018年06月15日)

【医療ガス市場 】心停止後症候群治療用の吸入キセノン治験最終段階に
リンデが欧州での販売ライセンス契約締結
日本ではマリンクロット社がライセンス保持
リンデは、心停止後症候群患者向けの神経保護用キセノン吸入装置「XENEX」を開発したNeuroproteXenon(以下NP。本社: 米ニューヨーク州)と、EU、英国、スイス、ノルウェー、アイスランドにおける販売代理店契約を結んだ。
NPは治験段階の製薬・ドラッグデリバリーシステム開発企業。神経保護用吸入キセノンについては、現在、3段階にわたる治験の最終段階に来ている。15年にNPがFDA(米国食品医薬品庁)から希少病用医薬品・機器認定を受け、上市に向けた研究開発ならびにガス調達やサプライヤー選定などの取り組みを本格化したとみられ、16年3月にフェーズⅡの治験が終わり、今年上半期にフェーズⅢの治験が開始予定である。
【ガスアカデミズム 】キセノンが支えるはやぶさ2「2018年宇宙の旅」
JAXAイオンエンジン専門家に聞く、Xeの魅力と開発中の新型エンジン
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2014年に打ち上げた探査機「はやぶさ2」が目的地の小惑星「リュウグウ」へ6月下旬にも到着すると発表した。
リュウグウは地球と火星の間の軌道を楕円形で公転する、直径900mの非常に小さな岩のような天体だ。地球からの直線距離はおよそ3億㎞だが、小さいがためにその引力は利用できず、探査するには随時追尾する必要がある。このため往復で6年をかけるはやぶさ2の総飛行距離は52億㎞に及ぶという。
想像を絶する長期長距離の宇宙飛行だが、これを支えているのがキセノン(Xe)を推進剤として利用する「イオンエンジン」である。イオンエンジンとはどういったものなのか、またなぜXeだけを好んで使うのか。最新の開発動向と合わせて、はやぶさ2イオンエンジン設計責任者であるJAXA宇宙科学研究所の西山和孝宇宙飛翔工学系准教授に聞いた。
【在宅医療特集】「遠隔モニタリング」「地域包括ケア」…
医療界の変化に対応する在宅医療企業
18年4月、6年に1度となる診療報酬・介護報酬の同時改定が行われた。超高齢化社会に対応すべく、『早期退院』『在宅医療』などといった医療の質的変化を主眼とした見直しが進んだわけだが、在宅酸素療法(HOT)、持続陽圧呼吸療法(CPAP)に遠隔モニタリング加算が追加されるなど、ガス業界にも関連のある医療領域にメスが入った。一方で、特にHOTのモニタリングに関しては、その実施要件ともいえる施設基準について、やや実行性に欠けるものがあり、今回の改定は即座に業界に影響を及ぼすものでは無いとも考えられる。
ただし国は、医療や介護、生活支援などといった高齢者が必要とする領域を、地域一体となって提供する『地域包括ケアシステム』の構築を急いでおり、各領域を情報的に繋ぐ事が出来る遠隔モニタリングは、将来的に極めて重要な技術となってくると思われる。在宅医療企業各社に今の取り組みを訊いた。
【地域市場再発見・四国】域内ガス関連企業のニュービジネスに芽生え
造船偏重からの転換進める四国ガス市場
愛媛・香川・高知・徳島で構成される四国4県の2017年工業ガス関連市場は、設備投資の動きが一部に留まり、主幹産業である造船の建造ペースが減速したことで、一昨年から続く停滞感を一段と強める状況となった。自動車、エレクトロニクスといったガス関連需要を牽引するドライバーに乏しい地域性ゆえの帰結と言えなくもないが、域内ガス関連企業では、新規分野への参入やガスアプリケーション開発など、新たな事業柱の構築を目指した成果が現れ始めている。造船停滞の影響は避けられないとはいえ、悲観ムードはさほど漂っていない。
ガスレビュー目次
ガスアカデミズム
3
・キセノンが支えるはやぶさ2「2018年宇宙の旅」
MIP・VIP
3
・「挑戦的たらん、次期中期経営計画」
・エア・ウォーター 豊田昌洋会長
国内市場
6
・日本ヘリウム、川崎新工場竣工
・堀場エステック、マスフローコントローラ生産能力2倍に増強
・日酸TANAKA、ファイバーレーザ切断機の次のステージ睨み、提案の幅拡げる
・京都大学ウイルス・再生研、7月から治験向けにES細胞を供給開始
時事コラム
9
・ウインテック、殺菌水用炭酸ガス溶解装置、小型モデルを6月から販売開始
・デンカ、6月1日出荷分よりカーバイド値上げ
食とガス
13
・食品殺菌用の炭酸次亜水製造装置、メーカー各社小型機投入
在宅医療特集
15
・「遠隔モニタリング」「地域包括ケア」…
・医療界の変化に対応する在宅医療企業
医療ガス市場
23
・心停止後症候群治療用の吸入キセノン治験最終段階に
焦点
24
・「新中計では“ポストWelbee”開発を進める」
・ダイヘン 上山智之 執行役員溶接機事業部長
HOT ASIA PRESS
26
・韓国主要産業ガスメーカー2017年業績
・ハマイ、半導体ガス向けステンレス製容器バルブ、韓国向け販売好調
・プラックスエア、韓サムスン電子グループ半導体関連工場に二つの長期ガス供給契約締結
海外市場
27
・中東カタールでヘリウム新ソース「カタールⅣ」建設検討中
・ハネウェル、英エアダスター大手へHFO噴射剤を供給
水素エネルギー
29
・巴商会、韓国製FCV車載容器8月から販売予定
・平成30年度水素ステーション建設公募7件確定
・ヤマト・H2エナジージャパン、2.5kW純水素型燃料電池システム、非常用電源用途で本格的納入開始
・トヨタ自動車、2020年までにFCV製造能力10倍に
地域市場再発見・四国
31
・域内ガス関連企業のニュービジネスに芽生え
・造船偏重からの転換進める四国ガス市場
流通回路
39
・福豊帝酸、フロンと医療用酸素の充填設備増強
・新生、院内医療ガス点検の通知改定に伴い、設備点検支援サービスに尽力
・JIMGA各地域本部定時総会開催
・神奈川県高圧ガス流通保安協会第6回通常総会開催
・全検協、通常総会を東京で開催
・ケミカルマテリアルジャパン2018、大陽日酸が酸素バブル利用の養殖システムをPR
・2018NEW環境展、岩谷産業、カンケンテクノが出展
DATA
43
・2017年暦年高純度シリコン生産量
最新工業ガス関連株式市況
43
ガスレビュー指標
44
・ガス編
決算
46
・小池酸素工業
・東邦アセチレン
組織人事
47
・ADEKA
・大陽日酸
・小池酸素工業
・東邦アセチレン
・日酸TANAKA
・四国岩谷産業
・日本エア・リキード

当社発行媒体のバックナンバー記事が読める
ガスレビュー記事コピーサービス
ガスレビュー定期購読者の皆様へ
過去の記事を複写してお届けするサービスです。
ご入り用の記事テーマや号数と頁数などのご要望をお問合せにお寄せください。
弊社で内容を確認の上、該当記事ページをFAX、またはPDFファイルにて送付致します。
ガスレビュー誌のバックナンバーをお求めの方も、お問合せからお願い致します。
バックナンバーのご提供は、現在ガスレビュー誌を定期購読頂いているお客様に限ります。
お申し込みの際は、“00”から始まるお客様コードをお知らせください。
※バックナンバー記事は1ページ 550円(送料・税込み)
※バックナンバーは1冊 2,420円(送料・税込み)
※バックナンバー1冊のご提供は、ガスレビュー定期購読者のみのサービスです。