【液化炭酸ガス・ドライアイス特集】定修重複、トラブル多発で過去最大級のピンチ

5～7月、ドライアイス中心に出荷制限実施
今夏の供給体制にも影響必至

　前号既報のとおり、2018年夏の液化炭酸ガス・ドライアイス市場は、粗ガス供給元の定修長期化、トラブルが重なり、例年以上に厳しい局面を迎えている。4～6月頃にかけ、程度に差はあるものの、全国33ヶ所の液化炭酸ガス・ドライアイス製造拠点のうち23ヶ所が定修、もしくはトラブルで一時稼働を停止したとみられ、主要メーカー4社は玉繰りに奔走、ドライアイスを中心に一部出荷調整も行う事態となった。
　本来この時期は通常の供給分に加え、需要の最盛期である夏場に備えた液在庫も貯めるため、生産設備をフル稼働させる。しかし5月の大型連休前後から、定修を終える予定だった粗ガス供給元のプラントの立ち上がりが遅れたり、予期せぬトラブルに見舞われるなどして、十分な液在庫が確保できない状況となった。

【国内市場】日本エア・リキード、「いいね！」狙う日本ALのキッチンガスツール「Deliea」

　ブログ、SNSなどで周囲に影響を与える人（インフルエンサー）の力を利用する今どきのマーケティング手法『インフルエンサーマーケティング』が工業ガス業界でもお目見えした。
　日本エア・リキードは、7月11日、食品保存にガスを用いるキッチンツールを一般ユーザーに発売するのにあたり、『Deliéa（デリエアー）』ブランドを立ち上げ、その分野のインスタグラマーやブロガーを集めて東京・青山でローンチパーティーを開催。マーケティング手法も然ることながら『ネット販売』のみという販売手法にも興味を引かれ、本誌もローンチパーティーに潜入した。

【時事コラム】中国工業、西日本豪雨で停止していた生産活動、7月12日から再開

　中国工業（本社：広島県呉市、野村實也社長） は2018年7月6日から発生した西日本豪雨の影響で停止していた生産活動を7月12日から再開した。
　同社本社工場がある広島県呉市は同豪雨により甚大な被害を受けた地域である。水や高速道路、鉄道などのインフラが一時停止し、今も一部で復旧活動を行っている。今回の豪雨で紛失した広島県、岡山県のLPガスボンベは7月18日現在、1682本、産業ガスボンベの紛失は確認されてないという。

【海外市場】プラックスクエア＝リンデ、リンデの北米バルクならびに南米の一部事業をメッサーへ売却することで合意

買収額約3600億円
売上総計約1800億円

プラックスエアとリンデの合併に伴う事業分割で、リンデの北米のガス事業の大半と南米の一部事業を、独メッサーとファンドのCVC Capital Partners Fund VII との企業コンソーシアムが買い取ることで、両社が合意に達した。買収金額は33億米ドル（28億ユーロ、約3605億円）。