【市場動向】特殊材料ガス利用を生み出す半導体後工程
デバイス実装の3次元化

配線の縦貫通が鍵

　半導体プロセスの後工程にあたる実装分野にも、特殊材料ガス利用が広がろうとしている。電子機器システムの開発に欠かせない「3次元化集積実装技術」を駆使したデバイスが、携帯やタブレットといったコンシューマー製品向けに進んでいるためだ。

【自然災害】台風、地震で始まった18年9月

工業ガス設備への影響軽微も、停電、空港機能喪失で経済悪化懸念

　2018年9月は、4日から5日にかけて猛烈な風雨をもたらした台風21号に続き6日未明に北海道で最大震度7の地震が発生するなど、自然災害に見舞われた1週間で始まった。本稿締め切りの9月6日時点での情報では、北海道地震による工業ガス関連設備・事業所への影響についてエア・ウォーターは「6日早朝から地元北海道エア・ウォーター曽我部康社長を本部長とする対策本部を立ち上げ、情報収集を開始、6日午前中時点で同社グループ従業員への人的被害及び工業ガス関連設備への直接的被害はなかった」（同社広報部）としている。
　ただ、同時間、全道で停電が続いており、事業所をはじめ、エアセパプラントの操業は停止している。道内にはエア・ウォーターが室蘭、苫小牧、千歳に、大陽日酸グループが苫小牧、函館、日本エア・リキードが恵庭にそれぞれエアセパプラントを保有している。このうち、エア・ウォーター室蘭、苫小牧の2工場は、それぞれパイピング先の事業所から電力供給を受けており同事業所からの電力供給が回復すれば、操業を再開するという。その他のプラントは系統電力の回復を待って生産、供給活動が再開されることになる。

【ガスアプリケーション】京大発ベンチャーのFLOSFIA、シリコン、炭化ケイ素に続く第3のパワーデバイス
〝酸化ガリウム〟製法確立

真空装置を使わないCVDプロセス『ミストドライ法』で低コスト製造可能

　シリコン（Si）に代わるパワーデバイスとして炭化ケイ素（SiC）に続き、酸化物半導体が注目されている。最近では京都大学発のベンチャー企業FLOSFIA（本社：京都市、人羅俊実社長）が、真空装置を使わない低コストなCVDプロセスで『酸化ガリウム（Ga₂O₃）パワーデバイス』を製造する方法を確立、普及に期待が掛かっている。

【事業改革】「エンジニアがグローバルで躍動できる社内環境えを作っていく」
大陽日酸　上原正弘取締役専務執行役員エンジニアリング本部長

　大陽日酸は昨年4月、従来のプラントエンジとガスエンジの機能を統合した「エンジニアリング本部」を新設した。これは中期経営計画を円滑に進めるために立ち上げたものだが、その本質は各部署に散らばっていたエンジニアを一元的に管理し、効率的に動かすことにある。エンジニアを集団にし、一層強固なものにするわけだ。