【2019年新春特集】物流リスクへの工業ガス業界の対応

　2018年を表す漢字は『災』だったという。一年という時間をたった一文字で表すというのは、随分思い切った作業ではあるが、確かに昨年は台風や地震、パワハラなど災いの多い年だった。翻って工業ガス業界の2018年を漢字一文字で振り返るなら「欠」という文字が思い浮かぶ。炭酸ガス・ドライアイスのソース不足、ヘリウム調達難、機器や備品不足による納期遅れや人手不足は工業ガス業界においても工場や配送部門に影響を及ぼしている。業界の様々な場面で「欠」がみられたのである。

【新春市場概況】主要工業ガスメーカー7社に聞く

関東地域市場の現況と〝平成後〟の展望

　今後の国内の産業ガス事業市場の行く末を見据えるには、日本経済の中心部である関東地域における現況を語る必要がある。折しも2019年は、4月末で「平成」に別れを告げ、新元号による新たな時代に突入する。また、東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え、世界的な同スポーツイベント用の建築物・インフラ建設向け需要は一段落し、2020年夏以降の産業ガス需要及び供給市場の行く末にも目線を要する節目の時期となる。都及び各県の地域市場の特長、自社の事業体制と戦略、そして物流面での労働力不足への対応等について主要産業ガスメーカー7社に訊いた。

【国内市場】エア・ウォーター、ニチネツHDの全株取得

半導体・液晶向け電熱機器強化

　エア・ウォーター（豊田昌洋会長）は、12月19日付で、半導体製造装置メーカー向け電熱機器メーカーである日本電熱の持株会社、ニチネツホールディングス（長野県安曇野市、松田博幸社長）の全株式（17万2090株）を取得した。