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No.943号
2020.09.01発行
ガスレビュー No.943号（2020年09月01日）
“コロナ大不況”到来
4〜6月国内製造業業績、市場最悪の結果
自動車関連4割以上減収、鉄鋼赤字転落、化学は企業間で明暗くっきり
7月末から上場企業の20年4～６6月決算が次々に発表されたが、コロナ禍の影響が各分野で色濃く表れる結果となった。
産業ガスメーカーの決算は別記事に譲るが、ガス溶材市場にとって最大のユーザーである自動車関連の落込みが目立つ。トヨタ販売台数５０％減も黒字保つ
トヨタ自動車の第1四半期の連結販売台数は前年同期比50％減の115万8千台、営業収益4兆6千億円、40％減収したが、辛うじて営業利益139億円で黒字を確保した。
この影響はティアワンのデンソー、アイシン精機を直撃した。デンソーの業績は売上高7651億円、42.2％減収、営業利益1066億円の赤字、アイシン精機も売上高5552億円、42.3％減収、営業利益797億円赤字を計上した。
コロナで売れるガス発生装置
ウイルス対策でオゾン、二酸化塩素ガスに特需
コロナで売れるガス発生装置
ウイルス対策でオゾン、二酸化塩素ガスに特需
新型コロナの流行でウイルスに効き目があるとされるオゾンや二酸化塩素ガスの発生装置に特需が発生している。
オゾンは今年5月、奈良県立医大が「オゾンガスの曝露による新型コロナウイルスの不活性化を確認した」と発表したことを受けて、その発生装置であるオゾナイザの注文が殺到するようになった。
一般紙で大きく取り上げられたのは、東大阪市の消毒器メーカーであるタムラテコだ。
同社のオゾナイザが組み込まれた「オゾンガス消毒器」はコロナウイルス感染拡大を契機に注文が急増。今年6月の報道によると、この製品の受注台数は例年が約1000台であるのに対し、今年は早くも17万台に達したという。
またこの動きは下請け業者へも波及。タムラテコへオゾナイザを供給している神戸市のイワモト機工は増産体制を敷き、特需対応に入った。タムラテコは医療用と民生用の二種類のオゾンガス消毒器を製品化するが、同社はスーパーや持ち帰り弁当チェーン店などで利用される民生用を主にOEM供給している模様だ。
コロナで20年度1Qガス出荷量減
建機、バス、機械工具メーカー工場生産調整続く
新型コロナウイルス第２波を懸念しながら北陸地域を訪れたのは7月中旬。
現地工業ガス関連市場では4月以降建機、バス、機械工具等大手ユーザーが相次いで生産調整を実施。
北陸ガス企業へのヒヤリングでは2020年4月～6月の工業分野ガス出荷量は前年同期と比べ10～20％程度落ち込んでいる。
医療分野でも手術や入院件数の減少、HOT患者の外出自粛により出荷量は大幅に減っている。
めっきり減った観光客に出張抑制も加わって人の移動も少ない。
とはいえウイルスとの戦いは始まったばかり、これからもいかに共存し事業展開を図っていくのか、20年度第１四半期の北陸工業ガス市場へのコロナの影響とその対策について聞いてみた。
目次
市場動向
3
・“コロナ大不況”到来4～6月国内製造業業績、市場最悪の結果
・コロナで売れるガス発生装置
・ウイルス対策でオゾン、二酸化塩素ガスに特需
トピックス
6
・不要不急の訪問・面談の禁止でガス営業スタイルに支障きたす
経営
7
・エア・ウォーター、8つの地域事業会社を北海道・東日本・西日本の3社に統合
国内市場
8
・東京貿易メカニクス、液ガス移送向け低温ポンプのラインナップを充実
・大陽日酸、医療機器子会社2社を合併
時事コラム
9
・ウインテック、炭酸次亜水生成装置の営業に注力
・ジェック東理社、シーベル容器19年度出荷実績は2000台以上
・新コスモス電機、Bluetooth搭載式装着型酸素・一酸化炭素計発売
・MiZ、ポータブルの水素ガス補給機発売
溶接
11
・ダイヘン、協働ロボット対応の溶接システムを開発
・岩谷産業ウェルディング部、WEB配信の溶接技術セミナーを実施
ガス研究
13
・正しい水素医療めざし、地道に動物実験等でバックアップ
・慶應義塾大学医学部水素ガス治療開発センター 佐野元昭センター長・准教授
HOT ASIA PRESS
15
・北島酸素、ミャンマーのコロナ対策新病院に医療用酸素供給開始
・エアプロダクツ、中国大手PCBファウンドリに高純度窒素供給
海外市場
15
・エア・リキード、スペインで再エネ電力の長期買取契約締結
技術レビュー
16
・大陽日酸、酸化ガリウム用半導体成膜装置の量産対応化を推進
地域市場再発見・北陸
17
・コロナで20年度1Qガス出荷量減
・建機、バス、機械工具メーカー工場生産調整続く
DATA
23
・19年度セパレートガス販売量
最新工業ガス関連株式市況
23
ガスレビュー指標
24
・機器編
流通回路
25
・三興産商、20年6月期売上高28億円で減収減益に
・マスク・手指消毒剤の川本産業、第1四半期コロナ禍で大幅増益
決算
26
・エア・ウォーター
・岩谷産業
・高圧ガス工業
組織人事
28
・山陰酸素工業
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