コロナなんかぶっ飛ばせ！

半導体製造装置向けガス供給機器需要好調

コロナ禍にあっても、好調な市場成長を示しているのが、半導体製造装置向けガス供給系機器である。20年の需要は前年比20～30％前後のプラスで推移している。しかも、21年から23年は二ケタ増が確実視されている。
この牽引役は半導体デバイスメーカーの生産ラインへの旺盛な設備投資である。TSMC、サムスン電子、インテル、そしてSMIC、YMTCをはじめとした中国勢が増産に向けて生産体制を強化しているからだ。
そしてその要因は、世界的な公共投資と位置付けられる5Ｇ対応のデータセンターの世界的な建設ラッシュに加えて、コロナによる在宅勤務、テレワークの働き方の変化でパソコン、タブレットの思わぬ特需が生まれ、8月の国内パソコン販売量は15％増加した。そして、巣ごもりによって、更に爆発的に市場が拡大したゲームなどに大量の電子デバイス需要が上乗せされたのである。ちなみにデータセンターの世界の投資額は19年15兆円から20年30兆円と予測されている。

半導体の微細化支える、エレクトロニクス関連メーカーの最新動向

2020年11月9日、米マイクロンテクノロジーは、世界初となる「176層3DNANDフラッシュメモリ」の出荷開始を発表した。
　フラッシュメモリに関しては、面積あたりの記憶密度の向上を目的に、メモリセルを垂直方向に多層化（3D化）させる微細加工技術の開発競争が、近年半導体メーカー間で繰り広げられている。
昨年6月には、SKハイニックスが128層のNANDフラッシュメモリ量産をスタートしていたが、今回マイクロンが発表したものは単純比較で約50層もの層数増を達成した事となる。
また国内では、第２四半期決算での黒字化を達成したキオクシアが21年春からの四日市第７製造棟（Y7）の建設を発表。「22年春の第１期工事の竣工を目指す」としており、9月末に上場延期を発表した同社ではあるが、更なるメモリ量産には余念が無い状況だ。
こうした多層化・微細化の実現や、その量産化を下支えする半導体プロセスのコンポーネントメーカーでは、日々アップデートされる半導体メーカーからのニーズに対し、新製品や新技術の開発、生産能力の充実といった形で応えている。本特集では、各社の最新動向を紹介する。