半導体不足による自動車減産でガス溶材にも影響

部材価格上昇がガス関連機器の利益圧迫

半導体市場は生産も設備投資も絶好調に推移している。同分野向けガス・機器の需要も好調だ。しかし、その中でも変調が起きている。
　自動車向け半導体不足は自動車メーカーの減産まで引き起こしており、結果、ガス・溶材へも影響している。また、半導体製造装置向けガス関連機器では需要は高水準で推移しているが、一部、電子部品不足やステンレス価格など原材料価格が上昇、利益を圧迫しているのである。

高圧ガス工業、ベトナムのシリンダーガス企業に出資、工業ガス事業で初の海外展開

高圧ガス工業（澁谷信雄社長）は、本年３月にベトナムで高圧ガス事業を営むクリオテック（本社：ハノイ、Pham Minh Thiem 社長）傘下のスペシャルティガス有限責任会社（通称：クリオガス、Nguyen　Van Hong 社長）の80％の株式を取得した。同社にとって工業ガス事業で初の海外展開となる。　クリオテックは北部ベトナム、ハノイ周辺で事業展開する高圧ガスの製造販売企業。傘下のクリオガスは、15年11月に設立され、ベトナム南部でシリンダーガスビジネスを高圧ガス工業ベトナムのシリンダーガス企業に出資工業ガス事業で初の海外展開展開しており、ホーチミン近郊のロンアン省タンドー工業団地内にシリンダー充填所（充填品目：酸素、窒素、炭酸ガス、アルゴン）を有する。従業員数は30名程度、年間売上高は約１億５千万円（２０１９年）である。

メーカー・ディーラー33社

計397名の新卒性を採用

本誌調べによると、21年春にガス業界に仲間入りした新卒生（高卒、大学院卒含む）は、ガスメーカー11社で前年49名減の２１７名、ガスディーラー22社で前年24名減の１８０名となった模様だ。　内訳をみると、メーカーでは岩谷産業、エア・ウォーター、大陽日酸らが採用数を落とす一方、高圧ガス工業では前年比14名増の27名の新卒採用を実施している。他方、日本エア・リキードは中途採用にも注力しており、昨年は70名採用した他、今年も約70名の中途採用を計画している。またディーラーでは、各社ともに概ね計画通りの採用数を確保しているが、宇野酸素、カネコ商会、東京高圧山崎の３社は新卒採用を見送っている。ただし３社ともに中途採用によって人員強化を図っており、中でも19年度に26名の中途採用を行なった東京高圧山崎は、20年度も19名の人員を確保するなど、即戦力強化を重視した採用を行っているといえる。