バックナンバー



No.964号
2021.07.15発行
ガスレビュー No.964号(2021年07月15日)

原材料インフレ‼原油、鋼材などの価格上昇、コンテナ不足、ロックダウンなどの複合的要因で混乱
ガス市場にも直撃
原材料インフレが進行中だ。ガス溶材市場にも直撃している。エネルギー価格の高騰が続き、電力代や物流費も値上げされ、産業ガスメーカーの収益性が悪化している。また、鉄鋼価格上昇で溶接ワイヤ価格もメーカーから値上げが通告されている。しかしながらコロナ禍で景気が停滞する中で、ユーザーに対し負担増分を価格に転嫁するのは容易ではない。
今回の原材料インフレは、全ての産業に影響しており、しかも原因が単純ではない。ひとつひとつの問題が複雑に絡み合い解決が見えにくいのである。最大の要因の一つが原油価格の急騰である。OPECバスケットの直近の価格は6月20日週72・21ドル/バレル(以下ドル)、前週比1・53ドル、2・16%増、前年同期比34・89ドル、93・49%増、2倍に跳ね上がった。天然ガスやLPガスは基本的に原油市場動向価格リンクなので、高騰は避けられない。エネルギー価格上昇が全てのインフレの引金になっている
首都圏で14社共同出資の容器再検査場「みんなの耐圧場」本年5月より本格稼働
シームレス容器、FRP容器を対象に年間検査能力7万本
今年2月に設立された一般高圧ガス容器の再検査会社「みんなの耐圧場」(栗下敏一社長、資本金45百万円)は、大陽日酸川崎水江事業所内に新設した容器再検査場を本年5月から本格稼働させている。同所では自動耐圧検査装置をはじめ検査工程の自動管理システムを導入するなど、随所に省力化のための工夫を施すとともに粉体塗装やシルク印刷を採用、高品位な仕上がりを実現している。
本誌№961で既報の通り、同社は、大陽日酸と日本液炭、イワサワ、ウエキコーポレーション、鈴木商館、千代田、東邦酸素工業、東横化学、巴商会、日本メガケア、富士高圧ガス、丸由工材、渡商会といった大陽日酸メジャークラブの関東エリアの主要ガスディーラー、そして一般高圧ガス容器再検査専業の伊藤高圧瓦斯容器製造所の14社で共同出資し設立した。出資母体は、伊藤高圧瓦斯容器製造所と、子会社に容器再検査会社「日本技検」を持つ東邦酸素工業の2社だ。検査場は、大陽日酸の川崎水江事業所(神奈川県川崎市)内に設置している。
川崎重工業 GI基金を利用し、舶用水素エンジンを開発
水素タンク・MHFSの開発も並行実施
川崎川崎重工業は、NEDOの取りまとめるグリーンイノベーション基金事業(以下、GI基金)のもと、船と航空機それぞれに向けた水素エンジン開発をスタートしている。同社では近年液化水素製造装置の開発、大規模水素サプライチェーンの構築など、水素社会実現の為の取り組みを強めており、今回の取り組みは水素の大規模ユーザーの創出に繋がるものとして、極めて重要なプロジェクトと考えられる。
本誌ではそれぞれの開発指針や将来性について同社にインタビューし、2号に分けて紹介する。今号ではまずエネルギーソリューション&マリンカンパニーに、『舶用水素エンジン』について訊いた。
石油・ガスなど工業用プラント操業の完全リモート化に繋がる自律制御システムの共同実証実験開始
5G・クラウド・AI活用で生産性向上、人手不足解消目指す。21年度内に実用性検証
横河電機(本社東京都武蔵野市、奈良寿社長)はNTTドコモと共同で、現在両社が展開する5G・クラウド・AI技術を活用し、石油・天然ガスや産業ガスなど工業用プラントを完全リモートで制御することで、プラントの自律化に繋がり、操業での更なる生産性向上や人手不足解消が期待できるシステムの将来的な実現に向け、今年度、実証実験を行う。産業ガス分野で実施されている複数ヶ所に設置されたプラントの集中監視も、完全リモート化できる可能性がある。製品化時期は未定、まずは2021年度内に試験設備で技術面の検証を行うとする。
目次
市場動向
3
・原材料インフレ‼原油、鋼材などの価格上昇、コンテナ不足、ロックダウンなどの複合的な要因で混乱
国内市場
5
・カンケンテクノ、21年3月期排ガス処理装置事業は5%増の143億円に
・SEAJ、半導体・FPD製造装置需要予測を公表
・岩谷産業、7N超高純度ヘリウムガス販売開始
・ニヤクコーポレーション、高圧ガスローリーの超低温タンクの法定検査を専業化
・日酸TANAKA、長野工場の事務所棟・研修棟リニューアル
時事コラム
8
・新コスモス電機、ガス検知器・関連製品の新モデル発売
・エア・ウォーター、食品残渣からの燃料合成にノウハウを持つバイオベンチャーGEIに出資
・山陽電子工業、非接触型音声案内付き手指消毒・温度測定装置を販売
・ハネウェル、OCR・バーコードリーダーがワクチン接種記録システムに対応
・日本CCS調査ら、CO₂大量海上輸送の技術開発開始
海外市場
10
・日本酸素ホールディングス、米食品冷凍機器メーカーを事業買収
・エアプロダクツ、カナダで約1000億円投じ大型水素コンプレックス建設へ
HOT ASIA PRESS
11
・ニッポンサンソインガスコ、比SEMPHIL社向けに窒素ガスプラント2号機を新設
トップインタビュー
12
・「産業ガスの機能でカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく」
・大陽日酸 永田研二 社長
容器再検査
13
・首都圏で14社共同出資の容器再検査場「みんなの耐圧場」本年5月より本格稼働
新社長インタビュー
15
・「ガスのインフラネットワークを基軸に地域密着でさらなる事業深耕を図る」
・エア・ウォーター東日本 田中豪 社長
新エネルギー
16
・エア・ウォーター、地産地消の小規模木質バイオマス発電がスタート
自動化
17
・横河電機、工業用プラント操業の完全リモート化に繋がる自律制御システムの共同実証実験開始
技術レビュー
18
・大陽日酸、印刷技術で電子回路を形成できる〝プリンテッドエレクトロニクス〟向けインク開発
・東京都市大学、窒化鉄と炭酸水のみを用いた低環境負荷のアンモニア新合成技術を考案
水素エネルギー
21
・加地テック、水素ステーション向けコンプレッサの新型モデルを開発
・帝人エンジニアリング、燃料電池ドローン搭載容器開発中
・岩谷産業、バイオマス由来のグリーン液化水素製造事業の検討開始
・大陽日酸、民間企業6社と共同で、水素燃料電池とバイオ燃料のハイブリッド型船舶の商用運航検討開始
流通回路
23
・ウエルテックダイサン、21年3月期はコロナ禍での溶材不調により減収推移
・ウエキコーポレーション、大分支店でアグリ事業を開始
・大阪高圧ガス熔材協同組合、溶接ヒュームに焦点当てた教育研修会開催
・大陽日酸ガス&ウェルディング、エンジニアリング事業部事務所移転
・サイサン、桶川営業所開設
・スペクトリス、本社移転
決算
24
・フクダ電子
DATA
25
・20年半導体材料ガス国内販売実績
最新工業ガス関連市況
25
ガスレビュー指標
26
・ガス編
組織人事
27
・エア・ウォーター
・日酸TANAKA
・高圧昭和ボンベ、社長交代
・ティーエムエアー、社長交代
・土佐酸素
・CRC西日本
・RITE
財務
28
・小池酸素工業、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン」導入
訃報
28
・エア・ウォーター豊田名誉会長の妻、京子さん死去

当社発行媒体のバックナンバー記事が読める
ガスレビュー記事コピーサービス
ガスレビュー定期購読者の皆様へ
過去の記事を複写してお届けするサービスです。
ご入り用の記事テーマや号数と頁数などのご要望をお問合せにお寄せください。
弊社で内容を確認の上、該当記事ページをFAX、またはPDFファイルにて送付致します。
ガスレビュー誌のバックナンバーをお求めの方も、お問合せからお願い致します。
バックナンバーのご提供は、現在ガスレビュー誌を定期購読頂いているお客様に限ります。
お申し込みの際は、“00”から始まるお客様コードをお知らせください。
※バックナンバー記事は1ページ 550円(送料・税込み)
※バックナンバーは1冊 2,420円(送料・税込み)
※バックナンバー1冊のご提供は、ガスレビュー定期購読者のみのサービスです。