バックナンバー



No.966号
2021.08.15発行
ガスレビュー No.966号(2021年08月15日)

持続可能な工業ガス事業のためのメンテナンス業務
老朽化する設備・人材とデジタル化が生み出すギャップが課題
国内工業ガス市場の大幅な伸長が望めなくなって久しい。エアセパガス販売量を見れば、リーマンショック以前の2008年をピークに、その後多少の増減はあっても、いずれもピーク時を上回ることなく、今日まで推移している。
ピークに合わせて整備されてきた供給力は、集約統合による最適化の試みはあるものの、依然オーバーサプライの状況にあるのは間違いない。かねてから老朽化が指摘されてきた工業ガス供給設備・機器は、市場拡大が望みにくい中、安易なリニューアルは難しい情勢となっている。将来に亘って需要拡大が続くのであれば、多少の先行投資を伴っても、新プラントによる原価低減とスケールアップ、収益向上が将来見込める。しかるに、市場拡大が見込めない状況にあっては、リニューアルによる原価低減よりも、いかに既存設備・機器を延命化し、安定操業を続けていくかが、ガス事業の収益力維持に欠かせない。これまで以上に日常のメンテナンス、保守管理業務が重要となってきているわけだ。
北島酸素 危機的状況のミャンマー医療用酸素供給に多様な支援策検討
現地同社工場は24時間フル稼働で、酸素不足に対応
新型コロナウイルス感染拡大が続くミャンマーでは、医療用酸素がひっ迫、同国で医療用酸素供給事業を展開する北島酸素(徳島市、篠原宏子社長)では「24時間体制で工場を稼働させ、一本でも多くの医療用酸素を供給するよう尽力すると共に日本大使館や日本の経産省、現地関係各署と連日協議しながら、液体酸素及びシリンダーなどの支援を模索している。また、この状況の中で、ミャンマー国保健スポーツ省並びにヤンゴン管区と連携し、ミャンマー国全体の液体酸素供給体制の管理を依頼されている現状」(篠原社長)と話す
『アデュカヌマブ』の迅速承認で加速する安定同位体『 ¹⁸O』需要
大陽日酸の安定同位体事業が、更なる飛躍を遂げようとしている。
すでに広く報じられている通り、21年6月、米FDAはバイオジェンとエーザイが共同開発したアルツハイマー病治療薬、『アデュカヌマブ』を迅速承認した。これにより期待されるのが、同国におけるアルツハイマー診断需要、及び投薬期間中の効果測定需要の高まりである。
アルツハイマー病の診断には、原因物質となるアミロイドβの測定が不可欠となるが、この精密検査法には大きくPET検査、脳脊髄液採取検査の2種がある。このうち後者は患者の身体にかかる負担が大きい事から、今後は前者による低侵襲的検査法がアルツハイマー診断の主力となると目されている。
目次
特集
5
・持続可能な工業ガス事業のためのメンテナンス業務
HOT ASIA PRESS
9
・北島酸素、危機的状況のミャンマー医療用酸素供給に多様な支援策検討
ヘリウムニュース
9
・ヘリウムソースにトラブル 6〜7月の世界供給量約4000万㎥消失
国内市場
10
・アドバン理研、工場増築に向けて本社横の230坪の用地を取得
・高圧ガス工業、農業用炭酸ガス制御装置の新型機を来秋販売へ
・NEDO、水素利活用に向けた調査・技術開発14件を採択
速報
11
・日本政府、東南アジア諸国へ酸素濃縮器3600台強を無償提供
時事コラム
12
・岩谷産業、岩谷瓦斯千葉の液炭プラント増強を完了/ジェック東理社、シーベル容器20年度は10%の出荷減
・岩谷情報システム、容器管理システム「瓶豪PRO」リモートワークに対応
インタビュー
13
・「JIMGAの本来あるべき姿を具現化へ」JIMGA 今井康夫会長
医療
14
・『アデュカヌマブ』の迅速承認で加速する、安定同位体『 ¹⁸O』需要
脱炭素への道
15
・高圧ガス保安協会、新規に若手メンバーによる「水素チーム」立ち上げ
新エネルギー
16
・エア・ウォーター、中国電力JVの防府バイオマス石炭混焼発電所、稼働から2年間、高効率・高稼働率を継続
水素エネルギー
18
・土佐酸素、高知県初の水素ステーション設置に向け取り組み本格化
食添アルゴン
19
・岡谷酸素、物流課題も売れ行き上々
・ヴィレッジ・セラーズ、ヴィンテージワインをもっと手軽に
分析技術
20
・LPG中残渣試験へのガスクロ適用、見込まれる年内規格化
流通回路
22
・福岡酸素、福岡本社開設
・サイサン、使用電力を再エネ由来へ変更
・フクダ電子、本郷事業所開設に伴う部署移転
決算
22
・日本酸素ホールディングス
組織人事
23
・水島酸素商会、社長交代
・日東工機
関連機器市場ダイヤル
24

当社発行媒体のバックナンバー記事が読める
ガスレビュー記事コピーサービス
ガスレビュー定期購読者の皆様へ
過去の記事を複写してお届けするサービスです。
ご入り用の記事テーマや号数と頁数などのご要望をお問合せにお寄せください。
弊社で内容を確認の上、該当記事ページをFAX、またはPDFファイルにて送付致します。
ガスレビュー誌のバックナンバーをお求めの方も、お問合せからお願い致します。
バックナンバーのご提供は、現在ガスレビュー誌を定期購読頂いているお客様に限ります。
お申し込みの際は、“00”から始まるお客様コードをお知らせください。
※バックナンバー記事は1ページ 550円(送料・税込み)
※バックナンバーは1冊 2,420円(送料・税込み)
※バックナンバー1冊のご提供は、ガスレビュー定期購読者のみのサービスです。