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No.969号
2021.10.01発行
ガスレビュー No.969号(2021年10月01日)

世界の自動車市場急ブレーキ‼
ASEANロックダウンで部品調達滞る ガス溶材への影響懸念深まる
世界の自動車市場に異変が起きている。自動車産業ポータルのマークラインズの調べによると、6月以降、中国、韓国、台湾の販売台数が前年同月比マイナスとなり、7月には日本、ドイツも減少に転じ、8月にはアメリカも大幅な落込みを示した(表1参照)。
中でも世界最大の自動車市場、中国の減少が目立つ。要因は複合的だ。喧伝されているように、車載用半導体不足は慢性化している。そこに加えて、新型コロナウイルスの蔓延がASEAN諸国に直撃、電子部品などの工場が閉鎖や減産に追い込まれていることが加わった。
ASEAN主要国の最新基本情報(JETRO)は表2の通りである。この内、自動車用電子部品で最も深刻な状況に置かれているのが、ワイヤーハーネスである。住友電工や矢崎総業、古河電工などのベトナムやマレーシアにおける工場がロックダウンなどの影響を受けて操業がダウン、供給タイト化が続いている。トヨタが9月の減産を決めたのは半導体より、ワイヤーハーネスの手当てが難しいのが主要因だとされている。
全体像のわからない食品ガス コロナ禍に新たなる成長
MAP提案伸ばす大陽日酸とLNフリージングに注力の日本エア・リキード
長引くコロナの影響で、食品向けガスは大きなダメージを受ける一方で、巣篭もり需要で増加する動きもあり、さらに新たな需要も誕生している。食品ガスをブランディングし、戦略的に営業展開する大陽日酸と日本エア・リキードの営業活動も参考に、2021年コロナ禍における食品ガス動向を注視する。
食品ガスビジネスに生じる変化
従来からの需要、例えば居酒屋等のビール、ハイボール用炭酸ガスの需要は大打撃を受け、炭酸ガスにとっては試練の年となった。19年に食添に認められたアルゴンも販売体制を整えた矢先にコロナ禍となり、採用を検討していたワインバーが計画を延期するなど、幸先の悪い漕ぎ出しとなった。
ところが、食品関係が全部ダメかというと、そんなことはなく、ガス置換包装(MAP = Modified Atmosphere Packaging)提案や、まったく新しい需要、液体窒素(LN)のリバイバル需要等が活発化している。これらは、旺盛な巣篭もり需要や営業できぬ飲食店等の抵抗とでもいうべき商売の新たな工夫で生まれた変化によるものだ。
2020年売上高10億円以上企業、売上総計171社で1兆1873億87百万円
コロナの影響を反映した結果に
2020年に決算期を迎えた全国工業ガスディーラーのうち、売上高10億円以上の企業数は171社で、売上高総計は1兆1873億87百万円、同171社の19年実績と比べ3.5%減だったことが、本誌集計で分かった。
20年決算期は、期中に新型コロナウイルス感染拡大に伴う製造業の停滞期を含み医療ガス関連事業が一年を通じて低調だった。全国ディーラーの業績にも、そのことは如実に反映され、ランクインした171社の104社が対前年比を下回った。とりわけ、決算期が5月期以降の企業にその傾向は顕著に表れていた。
目次
市場動向
3
・世界の自動車市場急ブレーキ‼ガス溶材への影響懸念深まる
食品ガス動向
5
・食品ガス、コロナ禍に新たなる成長
ディーラーランキング
7
・2020年売上高10億円以上企業、売上総計171社で1兆1873億87百万円
ヘリウムニュース
9
・露ガスプロムのヘリウムソース2千万㎥/年稼働 米BLM、7月より稼働停止
国内市場
10
・コロナ患者使用後の酸素濃縮器、間を置かず再使用可能に
・SPACECOOLとマスコール、放射冷却素材で表面温度下げるボンベカバー開発へ
・イチネンTASCO、食品添加物利用で人体に影響の少ないフロン漏れ点検スプレー
・NEDO、脱炭素2兆円基金で2つの公募開始
・高千穂化学工業、磁気式酸素計向けにJCSS酸素標準ガスの提案強化
短信
12
・電子デバイスフォーラム京都10月開催
・ナンブ、「オールインプロテイン」通販で販売開始
焦点
13
・「22年度1500億円規模を視野に」
・フジキン 野島新也 社長
技術レビュー
14
・アトミス、高圧ガス容器の位置情報、ガス残量を遠隔で監視する実証開始
時事コラム
15
・小池メディカル、ボンベ用酸素流量計の新製品販売開始
・長野計器、ボンベ内残量監視が可能なバッテリレス圧力センサを発売
・エア・ウォーター、TCFD提言に賛同表明
・三菱造船、液化CO₂輸送船用タンクの設計基本承認を取得
・産総研とNIMS、低濃度エチレンをリアルタイム検知できるセンサの試作機共同開発
海外市場
17
・今夏も活発だったガスメジャーによる水素関連投資
・三菱商事、カナダで燃料用アンモニア製造を20年代後半に開始
・リンクス・コンサルティング、特殊ガスカンファレンス開催
水素エネルギー
19
・千代田化工、MCH実証国内外で続々と遂行
・岩谷産業、川崎重工ら、日豪間での大規模グリーン液化水素サプライチェーンに向けた事業化調査開始
・ENEOS、横浜旭水素ステーションで国内初のCO₂フリー水素製販開始
・キッツ、水素ステーション向けの95MPaメカニカル継手を開発
・スペースウォーカー、高圧水素容器開発でエア・ウォーターグループと提携
DATA
23
・半導体製造装置販売額
最新工業ガス関連株式市況
23
ガスレビュー指標
24
・機器編
流通回路
25
・日酸TANAKA、制御機器製品値上げへ
第1四半期決算
26
・関東電化工業
・ダイヘン
・新コスモス電機
・理研計器
・長野計器
・星医療酸器
・ハマイ、第2四半期決算
組織人事
28
・大陽日酸

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