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No.974号
2021.12.15発行
ガスレビュー No.974号(2021年12月15日)

不況の足音が聞こえる あらゆる部材が不足、価格高騰
あらゆる部材が不足し、価格が高騰している。産業ガスの値上げについては別掲記事で各メーカーの方針を詳報するが、ここでは原材料・エネルギー価格の動向を取り上げる。
著しいのは、鋼材の市中価格である。日本鉄リサイクル工業会の資料によればH形鋼が21年1月8万4900~8万5900円/tから11月11万100~11万1100円と29%上昇、厚板(16~25㎜)は1月9万400~9万1900円/tから11月13万6100~13万8000円/t、50・1%上昇と急騰している。一方、鉄鋼の原料である鉄鉱石は6月214・43ドル/DMTUの最高値から、一転して10月は122・91ドル/DMTUまで値下がりしている。これは中国が6月以降、粗鋼生産を大幅に削減、鉄鉱石需要が減少したことによるものといえる。
川崎重工業 GI基金活用し、舶用水素エンジンを開発
水素タンク・MHFSの開発も並行実施
川崎重工業は、NEDOの取りまとめるグリーンイノベーション基金事業(以下、GI基金)のもと、船と航空機それぞれに向けた水素エンジン開発をスタートしている。同社では近年液化水素製造装置の開発、大規模水素サプライチェーンの構築など、水素社会実現の為の取り組みを強めており、今回の取り組みは水素の大規模ユーザーの創出に繋がるものとして、極めて重要なプロジェクトと考えられる。
本誌ではそれぞれの開発指針や将来性について同社にインタビューし、2号に分けて紹介する。今号ではまずエネルギーソリューション&マリンカンパニーに、『舶用水素エンジン』について訊いた。
昭和電工川崎事業所 廃プラのアンモニア原料化ケミカルリサイクル
18年に亘って運転
昭和電工(森川宏平社長)の川崎事業所(神奈川県川崎市川崎区扇町5‐1)は、廃プラスチックを原料に用いたアンモニア製造を18年余りに亘って商業運転する国内唯一のプラントである。
同所で手掛ける廃プラ由来のアンモニア製造事業、通称KPR(KAWASAKI PLASTIC RECYCLE)事業は、2004年の本誌№555詳報の通り、地元川崎市に立地する企業が排出する資材やエネルギーを有効活用する「エコタウン構想」の一環として開始したものだ。同事業で使われる廃プラは日本全国で発生した菓子袋や弁当容器、日用品のボトル等の使用済みプラスチック製容器包装である。これら廃プラは容器包装リサイクル法に基づき市町村が収集、日本容器包装リサイクル協会が集約し、同協会が実施する入札において、昭和電工をはじめとする再商品化事業者に引き渡される。入札は日本各地の指定保管施設ごとに毎年実施され、KPRでは関東を中心に収集されたものも使用しているという。こうして集めた廃プラを中心にKPRのプラントでは、約200トン/日、約7万トン/年のペースでリサイクルしている。
目次
市場動向
3
・不況の足音が聞こえる、あらゆる部材が不足、価格高騰
国内市場
5
・高圧ガス工業、アセチレン価格値上げ、容器使用料も4月出荷分より請求
・大陽日酸、エアセパレート液化ガス値上げ
・岩谷産業、エアセパ、炭酸、ヘリウムなど価格改定を実施
・小池酸素工業、プライベートフェアでフジクラ製発振器のDBCファイバーレーザ切断機発表
・三國重工業、腐食性ガス対象の小型レシプロコンプレッサ開発推進
時事コラム
7
・大陽日酸、新型サブゼロ装置二機種を販売
・福岡県・北九州市CO₂フリー水素普及フォーラム開催
海外市場
8
・エアプロダクツ、米ルイジアナ州でグリーン水素製造・CO₂回収プロジェクトに過去最大の投資
・リンデ、テキサスで新水素プラント建設
・メッサ―、米食品工場の窒素漏洩事故で罰金7万ドル
ヘリウム動向
9
・BLM稼働再開、年内は再停止の予定なし
ディーラートップインタビュー
10
・「『展示会中心主義』からのパラダイムシフトが必要」
・マツモト産業
企業研究
11
・「地球環境」と「ウェルネス」の二つを軸にプレミアムなコングロマリットを目指すエア・ウォーター
水素エネルギー
15
・川崎重工業、GI基金活用し、舶用水素エンジン開発
流通回路
17
・燃料費高騰に加え尿素水不足を懸念する物流業界
・ティアイメディカル、『動物医療部』新設
・秋田県高圧ガス協会、横手市発生の鳥インフルエンザで炭酸ガスボンベ275本供給
・山脇酸素、尾道市と災害時の在宅患者向け酸素安定供給を強化する協定締結
・岩谷産業、コータキ精機本社にロボットでもルーム開所
・カミマル、22年3月期上期決算7%増収
・全国イワタニ会発足記念大会、大阪でリアル開催
・協栄会・協友会合同チャリティー忘年会、2年ぶり開催
IoT
20
・ソフトバンク、AI・IoT活用のLPガス容器配送最適化システム、九大と開発
地域市場再発見・長野・山梨
21
・絶好調半導体が牽引する甲信ガス市場
環境
27
・昭和電工川崎事業所、廃プラアンモニア原料化ケミカルリサイクル、18年に亘って運転
DATA
29
・2021年3Q世界半導体製造装置販売額
最新工業ガス関連株式市況
29
ガスレビュー指標
30
・ガス編
決算
31
・住友精化
・小池酸素工業
・東邦アセチレン
・大丸エナウィン
組織人事
32
・東亞テクノガス、社長交代
・ウエキコーポレーション
・昭和電工ガスプロダクツ

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