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No.984号
2022.05.15発行
ガスレビュー No.984号(2022年05月15日)

トラブルとウイルスで燻る液炭・ドライ市場
液炭需要、人流解禁や環境政策で復活に期待
年々供給面のタイト感が増す液化炭酸ガス・ドライアイス業界だが、今年も3~4月にかけて各社主力工場でトラブルや定修が重なり、さながら春の嵐となったようだ。
3月16日に福島県沖を震源として発生した地震の影響で、エア・ウォーター炭酸では川崎・市原の2工場が操業停止した。このうち川崎は4月上旬に再稼働したが、市原の再稼働は5月となる見込みだ。「東日本地区で大幅にドライアイスの出荷を制限せざるを得ない状況となっている。川崎工場は5月末から定修を控えており厳しい情勢だが、在庫の積み上げや他地域からのバックアップ等できる限りの対策を講じていく」(松下尚生取締役副社長)。
加えて、2~3月中旬は昭和電工ガスプロダクツ川崎が定修期間であったほか、知多炭酸も3月に原料ガス供給側の設備不良で約1ヶ月間生産停止した。いずれもドライアイス製造設備を有する主要拠点であり、特に東日本の供給体制に大きく響くこととなった。
長引く制御機器不足 ガス関連機器の長納期も解消せず
ガス関連機器の納期長期化が一向に収まる気配を見せない。機器製造に絶対的に必要な制御機器の調達が今もって通常に戻らないからだ。制御機器の調達難は昨夏から目立ち始めており、解消の目途が立たないまま、丸一年を迎えようとしている。
制御機器の供給不足は半導体、樹脂の供給不足が根本の原因だ。半導体は20年10月、21年3月と連続して発生した国内半導体工場の火災、樹脂は21年2月に米国南部を襲った大寒波、これに伴なう大規模停電がそれぞれ供給不足の発端となった。
コロナ禍前の動きに戻りつつある東北市場
酸素販売量は特殊要因重なり大幅増に
東北における主要産業は地域によって様々である。鉄骨加工をはじめ鉄鋼・金属や造船、自動車・建機、半導体・電子部品、医薬品、食品といった工場が各地域に点在しており、工業ガス関連市場の推移を一元的に捉えることは難しい。
ただ、それぞれの工場稼働率については2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた前年と比べると上向きつつある。とりわけ、半導体や電子部品など業種によってはコロナ禍前の19年に近いまたはそれ以上の数字で推移しているところも多いという。
目次
液化炭酸ガス・ドライアイス特集
3
・トラブルとウイルスで燻る液炭・ドライ市場
機器市場動向
7
・長引く制御機器不足、ガス関連機器の長納期も解消せず
国内市場
8
・パナソニックコネクト、溶接機の統合管理システムを開発
・エア・ウォーター、リチウムイオン電池向けにドライアイススノー洗浄装置の新用途
・ダイキン工業、酸素濃縮技術応用したトレーニング用『低酸素システム』実証開始
・カワテックス、水素用アルミ製タイプ3容器開発に着手
・アシスト・ワン、自社容器管理システムに業務日報との連携機能追加
容器動向
11
・炭酸ガス用シームレス小容器、検査本数急増の背景に海外炭酸水メーカーの炭酸ガスシリンダー充填工場日本進出
HOT ASIA PRESS
12
・エア・ウォーター・マテリアル、台湾特殊ガスディーラーに出資
HOT ASIA PRESS
12
・日立インド、インド北部に医療用酸素PSAを設置
ヘリウムニュース
12
・リンデ、米国でヘリウム供給強化
在宅医療
13
・日本呼吸器学会、第62回学術講演会開催
水素エネルギー
15
・ENEOSとトヨタ自動車、Woven City向けグリーン水素ステーション建設で合意
水素エネルギー
16
・パナソニック、純水素型燃料電池活用のRE100化ソリューション実証を開始
・川崎重工業、エアバスと協業、航空機向け水素サプライチェーン構築に向けた調査開始
・キッツ、山梨県と再エネ由来水素の利用で合意
脱炭素への道
19
・東ソー、自社GHG排出削減へ本格始動
時事コラム
20
・巴商会、ひと目で分かるOSバルブキャップを発売
・MiZ、ME/CFSへの水素ガス吸入療法、文献調査に基づく有効性について総説論文発表
地域市場再発見・東北
22
・コロナ禍前の動きに戻りつつある東北ガス市場
DATA
33
・2021年度建設機械出荷金額
最新工業ガス関連株式市況
33
ガスレビュー指標
34
・ガス編
流通回路
35
・東邦アセチレン、FABEXで簡単・多彩ミックス液のエスプーマアピール
・小池酸素工業、2022年度入社式開催
・エア・ウォーター物流、食品残渣を活用したエコフィード製造を本格化
・ヤマト産業、小倉営業所を移転、九州営業所に改称
組織人事
36
・日本酸素ホールディングス
・大陽日酸
・日本液炭
・大陽日酸ガス&ウェルディング

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