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No.990号
2022.08.15発行
ガスレビュー No.990号（2022年08月15日）
未来を見据えた容器充填関連設備リニューアル続々
地域のシリンダー事業を支える重要な事業インフラである充填工場は、全国に約４７０ヶ所ある。こうした充填工場も稼働から30年以上が経過するところも多くなり、ここ数年は、充填設備のリニューアルや充填工場の再編・統合が相次いでいる。
高圧ガス設備は最低でも20年、多くはそれ以上の期間に亘って使い続けるものである。設備更新の際には設計思想や能力設定には20年以上先の市場の未来をイメージしたものにしなければいけない。充填作業員の減少による省力化・自動化ニーズは高まり、統合・集約化に伴う製造スペースの確保も大きな課題となってくる。災害や盗難に対する保安や非常用電源の確保、脱炭素をはじめとする環境対応、デジタル技術による業務効率化も重要なミッションだ。
ガスメーカー参画のCO2回収・再利用実証が始動
2050年カーボンニュートラル実現に向け、発電所や工場排ガスからCO2を回収し、再利用する技術開発が盛んになっており、ガスメーカーもそのノウハウを活かしたCO2回収技術や装置開発、ガス供給で新たな実証に参画する。
日本液炭（遠藤祐喜社長）は、電源開発、中国電力、両社が共同出資する大崎クールジェン、及び世羅菜園とともに、大崎クールジェンの石炭ガス化燃料電池複合発電所から回収したCO2をトマト栽培に利用する実証に着手した。
エア・ウォーター（豊田喜久夫会長）は７月より、戸田工業および埼玉大学と共同で、新規CO2固体回収材「Na‐Fe系酸化物」を用いた中小規模のCO2分離回収技術の開発を開始した。同技術を搭載したCO2分離回収装置を2027年度に実用化、30年度までに200基の販売を目指す。
米国圧縮ガス協会、ヘリウム資産民営化延期を連邦政府に再度要求
米国圧縮ガス協会（ＣＧＡ）は7月15日、ヘリウムは米国経済と国家安全保障に直接関わる重要な資産であるとして、米国一般調達局（ＧＳＡ）が現在進めているヘリウム資産の売却を延期するよう声明を出した。
声明によると、同協会はこれまでＢＬＭが管理していた連邦保護区（テキサス州アマリロ）のヘリウム資産の売却については、ＧＳＡ単独ではなく、連邦政府の介入が不可欠だという主旨の要望書を政府当局に提出した模様。資産売却は今年9月30日までに完了する予定だが、今回の声明でさらに延期される可能性が出ているようだ。
目次
特集
4
・未来を見据えた容器充填関連設備リニューアル続々
国内市場
9
・日本液炭、大崎クールジェンからのCO2回収・再利用実証に参画
・高千穂化学工業、自社製吸着型負圧ガスソース拡販中
・高圧ガス工業、溶解アセチレンガス、9月出荷分より15％以上の値上げ
・エア・ウォーター、戸田工業・埼玉大学と共同で中小規模CO2分離回収技術開発を開始
・岩谷産業、2022年全国イワタニ会の集い大阪で開催
トップインタビュー
12
・「ユニットの拡大・増強でさらなる成長図る」エア・ウォーター 豊田喜久夫会長CEO
ヘリウムトピックス
14
・米国圧縮ガス協会、ヘリウム資産民営化延期を連邦政府に再度要求
海外市場
15
・リンクス・コンサルティング、エレクトロニクスカンファレンスを米アリゾナ州でリアル開催
食添ガス
15
・エムケー精工、食添アルゴンを使用したワイン分注機を8月より販売
事業戦略
16
・岩谷産業、食品分野で今こそ総力挙げた全面的提案が生きるとき
水素エネルギー
17
・高圧ガス工業、水素ステーション用中圧Type1蓄圧器を開発
水素エンジン
18
・日本から航海をはじめた水素エンジン旅客船
技術レビュー
20
・低コスト・高効率太陽電池のインタースタック積層型酸化物光電変換材料
流通回路
22
・土佐酸素、高知県初の水素ステーション 年４月開所
・渡商会とイワサワ、アロープラントの全株式取得
・岡谷酸素、食添アルゴンによる清酒の品質劣化低減の有効性を確認
・岩谷物流、本社事務所移転
決算
23
・日本酸素ホールディングス
・東京高圧山崎
関連機器市場ダイヤル
24
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